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2021-02-16 00:00
(連載2)新型コロナウイルス感染症対策
古閑 比斗志
医師
【重症化対策】
高齢者や基礎疾患がある人、抗がん剤・免疫抑制剤を使用して免疫が低下している人は感染重症化しやすい。ビッグデータでは高齢者、白人、肥満、男性、A型の血液型、喫煙、糖尿病、高血圧、狭心症、腎臓病、がん等がリスクファクターである。濃厚接触の定義では濃厚接触者における感染率は数パーセントである。家族内感染率はこれを上回る。大人から子供に感染する割合が多い。幸いな事に令和2年12月現在我が国では10歳代の死亡症例報告はない。また18歳未満の感染例は比較的少ない。妊婦の重症例も報告されていない。十歳代と七十歳代を比較すると重症化率は250倍となる。20歳以下では軽症者や不顕性感染者の割合が非常に高い。人口ピラミッドのボリュームゾーンである団塊の世代は感染に注意する必要がある。80歳代の方は感染して治療を受けないと新型コロナウイルス感染者の死亡率が25%である。(四人に一人亡くなる計算)日本には80歳以上の方が1000万人いる。団塊の世代は約800万人である。従って集団免疫を獲得する場合は、感染すると重症化して死亡率の高い高齢者を守る施策が必須となる。高齢者を優先してワクチン接種すべき理由である。
【新型ワクチン】
世界中の研究所や製薬会社がワクチン開発にしのぎを削っている。まったく新しいタイプのワクチンが各種開発されている。米国はトランプ大統領のワープ作戦により既にワクチン接種が開始された。今後我が国では新型コロナウイルスワクチンが輸入され無償で接種される予定である。ただし副反応に対するメーカーの免責条項が入っているためワクチン被害が発生した場合国が保証することになっている。これらの新しいタイプのワクチンは既存のワクチンと異なり長期予後が不明である。副反応と死亡率を天秤にかけるべきであろう。医療従事者等ファーストレスポンダーは接種優先順位が高いためワクチン接種は拒めない。感染すると重症化して死亡率の高い高齢者や合併症のある方に優先順位をつけて接種される予定である。新しいタイプのワクチンは子供たちに接種することは想定されていない。子供達には長期の安全性が担保されたワクチンを接種したい。幸いな事に子供たちの重症化率は低く罹患しても症状は軽いことが多い。安全性の高い既存のタイプのワクチン開発には時間がかかるが我が国では安全・安心を優先したいと大多数の医師は考えているであろう。
【パンデミック】
2021年2月現在欧米を中心に世界では感染者が1億人を超えた。このままのスピードで増加すると2022年春には集団免疫が成立するであろう。先進国は途上国と比較して高齢者人口が多いので高齢者の隔離とワクチン接種が追い付かないと世界中で死者は5000万人を超えるであろう。2021年2月米国では患者数が2770万人を超え死者は48万人を超えた。
【邦人援護】
我が国の在留邦人のうち特に高齢者はワクチン接種を希望しているであろう。我が国のパスポートに記載されている通り手を差し伸べる義務が国にはある。
【国際協力】
我が国はアジアにおいて積極的にコロナ対策に取り組む必要があり今後アジア各国へのワクチン供与等取り組む問題は多い。(おわり)
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