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2007-07-14 00:00
連載投稿(2)APT首脳会合やNEATの共通認識
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
まず、APT首脳会合やNEATの共通意識について、私なりに確認しておきたい。それは以下のようなものであると思われる。
東アジア共同体の構築は、東アジアの平和と繁栄のために不可欠であり、そのプロセスはASEANが主導する。東アジア共同体に参加する国々は、中核的にはASEANプラス日本、中国、韓国であるが、その他近隣諸国に対しても開放的であることが望ましい。なお、ASEANは、先ずASEAN経済共同体、ASEAN社会共同体、ASEAN安全保障共同体の構築を優先し、ASEANの近隣諸国との関連で構想されている東アジア共同体の構築は長期的な目標である。
東アジア共同体の構築は長期的目標であるが故に、現時点から関係各国が協力して、その構築のためのロードマップの作成に取り組むことが有意義であると思われる。なお、東アジア共同体の構築のロードマップ作成の上で「機能的アプローチ」と「制度的アプローチ」が検討されており、共に有益なアプローチであるが、現段階では「機能的アプローチ」が現実的である。1967年に設立されたASEANでも、最初の30年間は「機能的アプローチ」を採用し、1990年代に入って時期が熟してきた段階で、初めて包括的な「制度的アプローチ」が正式に採用された。
この「機能的アプローチ」では、現存の国際的・アジア地域的ルールの基礎の上に、貿易、金融、投資、技術移転、安全保障、教育、文化交流、観光等伝統的な協力分野が強調されてきたが、特に2001年の9.11事件以降は非伝統的分野である国際的テロ対策、グローバル化の中で「陰」として注目されてきた人身売買・児童労働・拉致を含む越境的人権侵害、経済難民、非合法的移民・移住労働、感染症、環境、特に有害廃棄物の不法越境や地球温暖化等への諸対策における協力の強化がクローズアップされている。また、この「機能的アプローチ」の一環として、二国間・多国間自由貿易協定、経済連携協定・投資保証協定、オープンスカイ協定等も歓迎ないし推進する。(つづく)
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