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2021-02-12 00:00
(連載2)2020年米大統領選‐不正選挙とメディアの沈黙
斎藤 直樹
山梨県立大学名誉教授
さらにジョージアを始めとして激戦州の多くで、悪名高い「ドミニオン」という集計システムが使われ、トランプ票の一部をバイデン票に読み替えるといった狡猾な犯罪も行われた。1972年6月にニクソン陣営の工作員が民主党本部のあるウオーターゲート・ビルに盗聴器を仕掛けようとしたことが発覚して、74年8月にニクソン氏は大統領辞任に追い込まれたが、ジョージアの集計場で監視カメラに捉えられた不正現場の映像は、「ウオーターゲート事件」が小さく見えるような重大犯罪である。本来であれば、FBIや司法省が血眼になり捜査しなければならないはずの事件に対し、FBIも司法省も全く動かなかった。これに対し、怒り心頭なトランプ氏は12月26日に、「圧倒的な証拠があるにもかかわらず、「司法」省とFBIはわが国の歴史で最大の不正である2020年大統領選挙の不正投票について何もしない。彼らは恥を知れ。歴史はこれを忘れないだろう。・・」とツイッターに書き込んだ。(@realDonaldTrump(December 26, 2020.))政府機関であるはずのFBIや司法省も反トランプであったということになろう。
大統領選でバイデン氏が勝利を収めたことが判明すると、大規模不正をいかにもみ消すかが死活的な課題になった感がある。ここで登場するのが大手メディアの出番であったのではないか。投票日直後から不正など全くなかったと大手メディアがこぞって連呼したのには、こうした背景があったのであろう。大手メディアは選挙不正の報道を一切行っていないが、それをどう思うか聞かれると、上述のジュリアーニ氏はメディアの「バイアス、腐敗、怠慢」であると断じた。(op. cit., “Giuliani says invalid ballot in Wisconsin would overturn election if tossed.”)しかし、そうした大手メディアの誤った姿勢が米国民の多くに計り知れない違和感を与えることになった。と言うのは、大手メディアが不正を隠そうとしたが、この間、保守系メディアが使命感に駆られたかのように不正事件の数々を連日のように報道し続けたからである。大手メディアは米国民をどのようにでも操れると考えているかもしれないが、彼らが思っているほど米国民は単純ではない。それが不正についての上述の世論調査につながっているのであろう。大規模不正が蔓延した今回の大統領選挙は米国の歴史に残る、癒すことのできない禍根を残すことになったことは明らかであろう。しかも今回、米国民の多くは大手メディアの報道が信用と信頼に足るものなのか否か、真剣に考えさせられる契機になったと言える。
振り返ると、2020年大統領選前から大手メディアを含め世論調査に関わった関係機関の予想は多かれ少なかれおかしかった。Trafalgarなど一部の世論調査機関を除けば、世論調査機関の多くは選挙前にバイデン候補の優勢ぶりを有権者に印象付けようとしていた感がある。大統領選の一般投票に関する世論調査によると、投票日直前までバイデン候補がトランプ候補に対し10ポイント程度のリードを保っていたことを思い出す。これに対し、選挙後しばしば引き合いに出される大まかな開票結果にしたがえば、トランプ氏の獲得票が約7400万票である一方、バイデン氏の獲得票は約8100万票に達するとされる。結果的に、10ポイント・リードとした上記の世論調査が見事に的中したと言うことになるのかもしれない。しかし、必ずしも喜んでばかりいられない。と言うのは、バイデン候補が獲得したとされる約8100万票の中におびただしい数の不正票が含まれるとみられるからである。これに対し、トランプ氏は選挙不正を行ったものに政権は譲れないと、12月11日にツイッターに書き込んだとおりである。2016年大統領選挙でヒラリー・クリントン候補の勝利を予想したほとんどの世論調査機関は選挙後、トランプ候補の勝利を予想できなかったとして激しく叩かれ、反省と改善を迫られた。あれから4年、反省がなされ改善が行われたはずであったが、今回の選挙結果を踏まえ、世論調査機関はどのような総括を行うであろうか。激戦州での膨大な件数に上るとされる不正を踏まえると、トランプ氏が主張する通り、激戦州の多くにおいて勝利を収めたのはバイデン候補ではなくトランプ候補であった可能性が高い。言葉を変えると、バイデン候補の勝利を予想した各世論調査機関の予想は実際にはまたしても外れたと言うべきであろう。と言うよりは、世論調査機関は有権者にバイデン氏が勝利することを印象付けるべくいい加減な統計を行ったかもしれない。一部の世論調査機関を除けば、それほど予想は偏向していた感がある。(斎藤直樹「米大統領選を巡るメディアの情報統制と統計操作(1)(2)」『百家争鳴』(2020年10月25、26日。)
こうした状況のままでは、米国の民主主義の行く末が真剣に案じられる。その責任は不正、腐敗、汚職に塗れた政治家だけに帰着するものではない。大手メディアなどが果たすべき責任と役割を履き違えてしまい、米国民を誤った方向に誘導しようとしているからに他ならない。大手メディアの傲慢と驕りからは、米国民をまるで情報操作の対象としかみてないかのような印象さえ受ける。しかも誘導されているはずの米国民がメディアの犯している間違いに気づいているのであるから症状は重いと言うべきであろう。もう一つ謎なのはトランプ氏を含め、トランプ陣営は11月3日の大統領選でこれだけ大規模の不正が企てられたことを事前に本当に気づいていなかったのであろうか。投票日直後のトランプ氏の会見を見る限り、不正に気付いていた様子は全くなかった。言葉を変えると、民主党陣営が企てた今回の大規模不正事件はジュリアーニ氏が言うとおり、それほど「周到に準備され、見事に実行された」ことになる。(おわり)
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