ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2021-02-07 00:00
(連載2)バイデン時代の台湾のゆくえ
岡本 裕明
海外事業経営者
アメリカ側からすればとりもなおさず、第一列島線は死守すべきラインであり、台湾の保護はアメリカの政権にかかわらず強く押し出す必要があるのでしょう。では「すわ、戦争か?」といえばそこまで踏み込むとは思いませんが、緊張はさらに高まる可能性はあります。アメリカの台湾に対する認知が明白になればなるほど中国がいざという問題を抱えた際、中国の分裂化を促進する象徴的事象になりえます(最後の砦はアメリカが台湾を国家として認識するかどうかでしょう。それは本当の最後手段ですが)。
ソ連が崩壊した際、ソビエト連邦だった共和国はことごとく独立しました。これは中央のチカラがなくなった時、同盟国をつなぎとめられなくなることを如実に表しています。中国もそもそもは国家の大きさが歴史の中で七変化してきたわけで今の体制と大きさがずっと続くとは思えない「無理な論理」が存在しています。それがいつ来るのか、という点については残念ながら誰も答えられません。希望的観測はいくらでも述べられますが、まだ数百年続く可能性も論理的には否定できないでしょう。
但し、中国の好きにさせないぞ、という包囲網は確実にできるし、中国が柔軟かつ発展的対応を取らない限り、自壊することも当然あるわけです。中国は内部崩壊こそそのリスクであり、民間企業の反発を買うような事態になればビックデータや民衆にアクセスできる機器の提供を通じて民意を物理的にコントロールできる能力がある民間のチカラは侮れなくなるでしょう。
台湾人へのアンケートでは、自分たちの帰属意識について「台湾人」とした人が92年の17%から2020年の67%へと飛躍的に伸びた半面、「中国人」としたのは25%から2%へと激減、台湾人且つ中国人といういいとこどり型も46%から28%に下落しています。これは台湾の人が世代交代が進むにつれ本土との関係が薄れ、自我の意識がはっきり出てきたということでしょう。中国が香港にしたのと同様のことを台湾にしようとするならそれは厳しい社会的道義を問われることになります。中国外交政策は強気一辺倒からどう折り合いをつけていくのか、難しい選択を迫られているようにも見えます。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会