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2021-01-29 00:00
(連載1)自衛隊の防衛駐在官について
荒木 和博
拓殖大学教授
どこの国にも「駐在武官」というものがおります。大使館に勤務する軍人といえば、イメージが付きやすいでしょうか。国交を樹立して大使館を構えるようになると、その国の軍隊は大使館に軍人を派遣して、現地の軍との交流をして相互理解を深めるであるとか、情報収集をするであるとか、本国に重要な寄与をする活動をします。日本にもそういう制度があります。
「防衛駐在官」というのですが、これは実のところ他国における駐在武官とは異なる特殊な存在です。まず、防衛駐在官は自衛官ではありません。防衛駐在官として現地の大使館に赴任することが決まると、その自衛官は防衛省の籍を外れます。そのうえで、外務省職員として海外の大使館に派遣されるのです。外務省職員でありながら、駐在武官らしい制服を着てよいなどの特別な取り扱いはあるものの自衛官でないことには変わりありません。
ですので、現地で得た情報を直接防衛省自衛隊に送ることは原則的に禁止とされています。よって、必ず大使館と外務省本省を通すという迂回が必要なのです。このルート上では、外務省のフィルターがかかって都合が悪い情報はどんどんどんどん情報が削られていってしまいます。外務省は防衛のことなんかわかりませんから、肝心な情報が抜け落ちたり異なるニュアンスになったりするわけです。
これが防衛省の内局で更にいじられたりするものですからエッセンスが落ちることがままあるのです。多くの防衛駐在官の経験がある方から話を聞くと彼らは非常に熱意を持って駐在先で任務を果たすのです。しかし、やはりひとりひとりが優秀で大きな働きをしたとしてもシステムがこのような状態になっていては、残念ながら防衛駐在官という役割はどうしようもないのです。(つづく)
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