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2021-01-27 00:00
ナワリヌイ氏拘束で抗議デモ拡大、プーチン政権の危機感
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の拘束に抗議する集会・デモが1月23日、モスクワからウラジオストクまで全国112カ所で行われ、3千人以上が拘束された。主催者側は「これまでで最大の逮捕者だ」とプーチン政権を非難している。今年9月の下院選を控え、政権側は危機感を募らせており、ロシア国内で早くも「政治の季節」が始まったといえそうだ。ロシアの有力紙コメルサントの23日付け電子版によると、首都モスクワでは中心部のプーシキン広場で23日午後、無許可の集会が開かれ、主催者の人権監視団体「OVDインフォ」は約1万5000人が参加したと公表。一方、警察当局は参加人数を4000人と発表している。取り締まりに当たった内務省は特殊部隊を出動させて参加者の排除に乗り出し、警棒などで会場から追い出し始めた。
これに対し、参加者はスクラムを組んで抵抗。「ナワリヌイ氏に自由を」「プーチン(大統領)はドロボーだ」などと気勢を上げた。さらに、広場に積もった雪を丸めて投げるなどして、一時は警官隊との間で雪合戦の様相になった。だが、特殊部隊の激しい攻撃にさらされ、デモ隊は次第に押し戻され、主催団体は今後も抗議行動を続けると約束し、デモ隊の抵抗は沈静化した。
ナワリヌイ氏は反体制派の中で最も支持者が多く、プーチン政権批判の急先鋒として知名度が高い。このため政権側は目の敵にして取り締まっている。昨年、夏には猛毒の神経剤で生命の危険にさらされ、支持者らは政権側の仕業と批判している。今月、療養先のドイツから帰国直後、モスクワの空港で拘束された。これに対し、同氏の支持者らはプーチン氏のために巨費を投じて建設されたという豪華な「宮殿」の動画をネット上で暴露するなどして政権批判を強めている。
プーチン氏は憲法を改正して異例の長期政権を堅持しているが、政権の支持率が低下気味の上、言動に高齢化の影響も出ていると伝えられている。このため、政権側は国民の支持率アップを図るとともに、今秋の下院選圧勝に向けて万全の体制を維持しようとしている。米国のバイデン新大統領の対露政策の動向とともに、ロシアの政治情勢にも当分目を離せそうもない。
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