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2021-01-20 00:00
(連載2)人事に動き、北朝鮮の2021年はどうなる
岡本 裕明
海外事業経営者
多くの報道では序列的には下がったが実質はまだ妹という立場もあり、影響力は変わらないのではないか、と評されています。私は実はそう取っておりません。金正恩氏が目に見える降格人事をする明白な理由が存在したのではないでしょうか。個人的な想像としては与正氏が踏み込み過ぎて、軍の規律と統制が取れなくなり、不満が鬱積したのではないかとみています。
さて、外交ですが、金正恩氏はこの会議でアメリカを「最大の敵」と称しています。一方、上記のように金英哲、崔善姫両氏を降格させてしまい、人事的にアメリカおよび韓国への敵対姿勢とその実効性が裏腹です。つまり、金氏の当面のプランは北朝鮮の体力回復であり、アメリカを仮想敵国とし続けることで軍部の緊張感を維持する戦略ではないかとみています。これはバイデン氏のアメリカだと米朝関係が目に見えて改善、ないし、発展する期待がほぼできず、バイデン氏をトランプ氏のようにミサイルで釣って会談に持ち込むことも困難とみているのでしょう。中国も今は北朝鮮政策は二の次三の次程度の優先度であり、中国が同国に今、手を出しても得るものは少ないとみているようです。
最大の仮想敵国がアメリカであっても、当面は朝鮮半島の支配権をめぐって韓国との熾烈な「ポールポジション争い」となりそうです。韓国は文大統領が22年5月に任期終了となるため、これから韓国国内の世論が大きくぶつかり合うことが予想されます。その中で北朝鮮の存在感をアピールしたいところですが、あまり強く押し出せば韓国野党の保守党が優位になりかねない政治力学が生じます。よってこの時間的隙間を利用して北朝鮮の国内基盤固めを行うというのが2021年の展開になるとみています。
軍事力強化には引き続き注力するでしょうが、経済の疲弊が思いの外進んでいる今、以前のように世界の耳目を集めるようなロケット実験はする体力はないと見ています。散発的にはロケットを飛ばすかもしれませんが、政策的には継続的な実験の可能性はやや下がった気がします。(おわり)
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