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2021-01-16 00:00
令和三年の年頭にあたって
鈴木 馨祐
前外務副大臣
一年前、令和二年の年の初めには誰一人として想像していなかった世の中になってしまいました。そして、昨日も過去最大の感染者数が判明するなど、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は依然としてその勢いを増しています。かつてない不安、先行きが不透明な中で、みなさまお過ごしかと思います。政府与党として、新型コロナウイルス感染症により亡くなられる方の数を最小限に抑え、重症化する方の数を最小限に抑えることを最優先に対応に当たる必要があります。そのためには、政府・与党が全力を尽くすのは当然ですが、リスクの高い方への接触の機会を極力減らしていただく、感染拡大を抑えるために意識して行動していただくなど、国民一人ひとりのお力が必要です。政府・与党の一員として、国民一人ひとりの努力により先進国の中では最も影響を抑えられている国の一つと言われる状態となっていること、みなさまのご尽力に感謝いたしますとともに、今後も自分の職責の中で全力を尽くしてまいりますことをお誓いいたします。
同時に、暮らしに大きな影響を及ぼしかねないのが経済の状況です。長期間にわたりヒト・モノの動きが制限を受ける状況は、我々の社会がほぼ初めて直面する事態です。今後、雇用不安や金融危機が起きないよう万全の備えが必要です。同時にここ最近の、消費や需要の急速な変化、DX、気候変動やセキュリティなどリスクの多様化、といった「変化」は待ったなしで進行し続けており、今回のコロナ禍をきっかけに加速する可能性が高いのも事実です。まさに、短期・中期・長期と時間軸を明確にしながら必要な政策や改革を進めていく必要があります。安定と変化という相反するものを両立させねばならないのがここ数年政治に求められることの本質です。急速な変化に対する激変緩和措置やセーフティネットを維持しながら、国際競争や時代の変化を考えれば、『変化に対応できる「しなやかさ」× 変化を創りだす「したたかさ」』を兼ね備えた社会構造への変革も成し遂げねばなりません。
また、国際政治においても、2021年は、アメリカでの新政権誕生に伴って、圧倒的な経済規模と軍事力と軍事的野心をバックとした中国という共産主義独裁国家の覇権に向けた動きと、それに対峙する我々自由主義社会との対立構図のパワーバランスがどう動くのか、予断を許さない状況となることが予想されます。現在のG7各国の状況や我が国の地政学的な環境を考えれば、日本が国際政治において、昨年のG7におけるコロナや香港問題における動きのように、積極的な役割を果たし自由主義社会やその価値を守るために主体的に動きリードすることが求められる状況でもあります。
国際競争が激化し、様々な動きが、変化のスピードが、速くなっている今の時代だからこそ、経済においても外交・安全保障においても、政治の失敗は我が国の将来にとって本当に取り返しのつかないことになりかねません。この緊張感を持って、私も政府・与党の一員として、全力を尽くしてまいります。
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