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2020-12-25 00:00
日本の優れた点、劣る点
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
今回の五輪の東京招致では、南米まで安倍総理以下が乗り込んで、今や小泉環境相夫人の滝川クリステル女史が、「おもてなし」という名文句で開催を勝ち取った。まさかコロナ騒動が起きるとはだれも思っていないので、安倍総理は運のよい人だという人もいた。日本人、日本社会は、人々への扱いは優れていて、「おもてなし」は得意中の得意と宣伝した。しかし、よく考えてみると、単民族で言葉も標準語がどこでも通じるどちらかと言うと一筆書きの国では、他人への想像力が足りない恐れもあるのだ。米国や中国のような世界中の民族が集まって暮らし、場合によると言葉さえ通じない社会の多様性への対応ぶりには敵わないところもあり得るのだ。最近やっと、イスラム教徒の食事のハラールが日本社会でも通じるようになったが、それまではこういう方を案内し、食事になると困惑することが多かった。豚肉を使わなければいいんでしょうと、しかしスープの出汁にはたっぷりと豚汁を使用したり滅茶苦茶だった。
今でも銀座の採食主義を標榜する店に行っても、世界の採食主義者の複雑さ、牛乳、バターは良いが、あるものはダメとかに対応できてはいない。ただ、生野菜を出せばよいのだという風に見受けられる。グルテンフリーとか食事のアレルギーとか言う言葉もやっと普及しだした社会なのだ。最近、あるアジアの富豪の夫人を案内した。彼女は夫君とともに途上国の学校へ行けない子供たちへの支援に活躍されている方だが、身なりは貧しかった、昼飯時で寿司を食べることにしたので、筆者は一人では絶対に行かないような高級な寿司屋に飛び込んだ。我々の姿を見て、主人がさげすむように、ここは値段はいくら以上だとまず高圧的にのたまった。和食の店によくある主人が威張って客に色々指示する、その手の店だった。世界に威張れる「おもてなし」の国ではない。帰りの電車では、優先席もいっぱいだったが、優先して座れる可能性を考えその前に立った。優先席は老人たちのグループが我が物顔に大声でしゃべり、その内の一人が仲間を呼ぶと呼ばれたおばさんは立っている筆者の連れの方を物も言わずぐいぐいと押しのけだした。我々は慌ててその場から離れた。
嘆かわしいと他の海外からのお客に述べたら、慰めてくれ、自分は夜、板橋区の駅の近くのビルに用事があり探した。彼は日本語出来るので、近くに女子高校生がいたので尋ねたところ、携帯で検索し、こちらですと教えてくれた。教えてくれたそのビルは、しかし間違っていた。世の中こういうこともあり得ると探しなおし無事用事を済まし先ほどの駅まで戻ったところ、さっきの高校生がまだ残っていて私を探していたらしく、先ほどお教えした場所は違いました。こちらが正解でした。すみませんと謝った。彼女は、間違いをただすべく今まで待っていたようだった。
日本の中高年層のマナーの劣ることに腹を立てる中で、こうした若者がいることは救いだ。日本社会は、どうしても考え方が単一化しがちだ。異なる民族の風俗習慣の違いへの想像力の欠落に陥りがちだ。時々、五輪のような世界と皮膚感覚で人々が接触する行事は大切なのだ。外国人へ良いところを見せようと「いい格好をする」ことも必要なのだ。
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