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2020-12-21 00:00
また米中関係について考える
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
米の新政権がトランプ時代と異なり今後どう米中関係を変化させてゆくのか、各国とも息をひそめ目守っている状況だ。各国、特に中国の周辺のアジア諸国にとり、そのインパクトは大きいからだ。米の学者などと会話をしている際に、筆者が、オバマ政権時代の中国への弱腰態度が中国を増長させたのだなど非難すると彼らはすぐさま反論してきて、鄧小平がデモの群衆を武力制圧した1989年の天安門事件の際、米はじめ西欧先進国が経済制裁を行い圧力をかけている中、中国の孤立化はまずい、国際的枠組みに取り込んでおくべきだなどと理屈をこね、経済支援をいち早く再開、北京への首脳訪問を行ったのはどこの国だ。尖閣の今の中国の公船の頻繁な侵犯状況だって、そもそも1992年に中国が領海法を制定し、尖閣諸島は中国領だと明記した際、それを無視していたのは誰だ。その頃の日本はまだ、中国へ大々的なODA提供を行っており、中国へ強く物を言える立場だったのにとまくし立てられた。
もっともある米学者は、こっそりと、天安門事件の時、当時のブッシュ(パパ)米大統領は密使を中国へ送って打開策を懸命に模索しており、日本へひそかに圧力をかけ、西側の先兵として、中国へ乗り込ませたのだと囁いた。その頃よりも、中国は一段と国力を増しつつあり、今や経済力では米に迫りやがて抜くであろう状況にまでに至っている。
『文芸春秋』の新年特別号では、特集として「日米中激突」と名を打ち、日本外交最大の危機にどう立ち向かうかとの討論会を掲載している。その他「バイデンを篭絡した習近平親密企業」などの記事を載せている。その内容で特に筆者の注意をひいたのは「『中国は自由経済でないから、大きなイノベーションは起きない』と考えていたが、ふたを開ければ、(中国のような)国家資本主義とデジタルは極めて相性が良く、中国はデータ超大国のメリットを活かし、米国一強は崩れかけている。」、「2020年、主要国は軒並みマイナス成長の中、中国だけはプラスだ」、「来年はさらに成長率が高まる予測さえ出ている」、「中国はコロナから立ち直りも早かったが、統制されることへの不満は国民の中にマグマのように溜まっている」、「なぜ中国が台湾にこだわるかと言えば、『中台統一』こそ、習近平が最高権力者であり続けるための大義名分だから」、「5、6年もすれば人口動態の問題で中国経済は停滞期に入る。そうなったとき、共産党政権の突破口は台湾」、「米中戦争が起こる確率は75%」などの発言だ。
「バイデンを篭絡ーー」の記事では、「40年来の『親中派』活動の陰でバイデンは中国に大きな借り」である。
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