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2020-12-23 00:00
(連載2)盗まれた米大統領選
斎藤 直樹
山梨県立大学名誉教授
これらの州で開催された公聴会で証言者達は偽証罪を覚悟の上で数々の不正を告発した。告発することで得るものよりも失うものがはるかに大きいと考えられるにもかかわらず、彼らは堂々と証言した。大統領選で許されがたい不正が行われたことを伝えなければならないとの正義感と義務感が彼らをそうさせたのであろう。彼らの勇気と正義感には驚かざるを得ない。証言者による告発はにわかに信じがたいものであった。しかも公聴会をOANNなどのネットワークが生放送で数時間にわたり放送し続けたことにより、多くの米国民が目にすることになった。この結果、ありとあらゆる数々の不正があからさまに行われていたことが公になってしまったのである。中でも4日の深夜にジョージアの集計場で起きていた不正を映し出した監視カメラの映像ほど、見る者を唖然とさせるものはない。告発者の証言によると、集計場で集計作業が終了したことを受け、午後10時過ぎに監督者が選挙立会人を帰宅させた。ところが、4、5名の選挙関係者がそのまま残り、テーブルの下から大量の票を取り出し、集計機に同じ票を繰り返し入れていた様子が集計所に設置された監視カメラに映し出された。
前後する時間帯でアトランタ、フィラデルフィア、デトロイト、ミルウォーキーなど大都市の集計場で同じ手口で同様の不正が行われたと、ジュリアーニ氏は語った。(“Giuliani says invalid ballot in Wisconsin would overturn election if tossed,” Sunday Morning Futures,
Fox News
, (December 7, 2020.))この結果、ウィスコンシンやミシガンの開票集計グラフでこれを反映するかのように、バイデン候補の獲得票が不自然とも言える垂直的な伸び方をしたことは既述のとおりである。トランプ氏は12月9日に「彼らが考えていたより我々が大きく投票でリードしたため彼らは見つかった。深夜に彼らは狂ったように大量の票を入れ込んだのだ」」とツイッターに書き込んだ。(@realDonaldTrump(December 9, 2020.))こうした重大な不正事件とは別に、空前規模の郵便投票による不正が野放しで行われていた。郵便投票が不正の温床になることは以前から指摘されてきたが、それが現実になってしまった。新型コロナウイルスへの感染対策を口実に各州が大々的に郵便投票を実施することを決めた。しかし郵便投票自体が問題であったというより、その実施方法が全くいい加減であったところに本質的な問題がある。投票用紙の入った封筒を開封する際に投票が本人によるものであるかどうか確認する照合が必須であるにもかかわらず、問題の激戦州の集計場では本人確認が何故か、ほとんど行われていない。これでは不正を行うことを意図して本人確認をあえて行わなかったと言わざるを得ない。
選挙人16人のジョージアでのバイデン候補の得票数は247万3633票で、得票率は49.5%であった一方、トランプ候補の得票率は246万1854票で得票率は49.3%であった。その獲得票差は1万1779票であった。(「米大統領選 州ごとの速報 ジョージア州」ロイター(2020年12月7日。))ジョージアにおける郵便投票に伴う不正をトランプ氏は殊の外、問題視した。そもそも郵便投票で本人であるか確認する署名を照合しないで票をカウントすること自体が不可解な話であるが、今回の選挙ではおびただしい数の郵便投票の署名が照合されていないとされる。トランプは郵便投票の署名を幾度となく照合するようケンプ(Brian Kemp)ジョージア州知事(共和党)に強く要求した。トランプは照合を通じ勝敗は逆転できると確信していたが、ケンプはトランプの求めに応じようとはしなかった。これに怒ったトランプは12月6日にツイッターに書き込んだ。「ケンプ州知事と州務長官が簡単な署名照合を行っていれば、私はジョージアで簡単に勝てただろう。ケンプはそれをしていないため、大規模の不整合が生じている。何故、この二人の「共和党員」が署名照合を拒むのか。もし我々がジョージアで勝利を収めれば、すべてがうまく行くのに。」(@realDonaldTrump(December 6, 2020.))
ネバダは選挙人6人の比較的選挙人が少ない州であるが、ここでの不正の実態が最近明らかにされた。バイデン候補の獲得票が70万3486票で得票率は50.1%であったのに対し、トランプ候補の獲得票は66万9890票で得票率は47.7%であった。(「米大統領選 州ごとの速報 ネバダ州」ロイター、(2020年11月27日。)両者の票の差は3万3596票である。ところが、12月16日にトランプ弁護団のビナル(Jesse Binnall)氏がネバダ州の不正について上院の公聴会で驚くべき証言を行った。(Senate Homeland Security and Governmental Affairs Committee, Witness Statement of Jesse Binnall, (December 16, 2020.))ビナル氏によると、不正件数は軽く13万票に達することから、勝敗は簡単にひっくり返ることになる。この調子で他の激戦州で不正が行われたとすれば、実に恐ろしいことである。加えて、疑惑の中心となっているのが「ドミニオン」という悪名高い投票機である。ジョージアの大部分の投票所で使われ、トランプ候補の獲得票の一部がバイデン候補の票に読み替えられる仕組みになっていたことが明るみなっている。トランプ氏はこの点に触れ、ツイッターに「調査でドミニオン投票機はトランプ票の2から3%をバイデンに移し替えた。これは選挙結果を変えるに必要な数字よりもはるかに多くの票である」と書き込んだ。(@realDonaldTrump(December 16, 2020.))ジョージアで大々的にドミニオンが使われた他、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコシン、ネバダ、アリゾナの一部でも使われたとされる。現在、各州で使用されたドミニオンの調査が進んでおり、その実態が少しずつ明らかになりつつある。こうした不正は実際に行われた不正の全容からすれば氷山の一角に過ぎないであろう。大統領選は盗まれたと言っても過言でない。(おわり)
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