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2020-12-19 00:00
(連載2)急速に弱体化する日本の外交
岡本 裕明
海外事業経営者
王毅外相のこの挑発は非常に大きな意味がありました。日本が常日頃、日中間の最大のトゲの一つである尖閣問題についてどの程度のクッションを持っているのか、王毅氏はブラフをかませたとみています。ところが面と向かって反発すらなく、王毅外相は高笑い、習近平国家主席はさぞかし喜んだことでしょう。会談後、しばらくたって日本側は「いやそうではない」といった言い訳が出ていますが、王毅外相の顔つきからは中国の完勝だったとみています。私は戦争を煽ることは一切しませんが、今、中国が突然、防御のない尖閣を実効支配したらどうなるのか、想像してみました。多分、全く抵抗なく、明け渡すことになるのだろうみています。そしてお決まりの「外交筋を通じて厳重に抗議」であります。ほとんどこれが無意味なのは外交を知っている人はお分かりだろうと思います。
一番心配なのはアメリカの政権が変わった際、日本への対応は今までとは変わる点です。トランプ政権時代は彼自身が強面だし、安倍元首相との圧倒的な連携で日本は実力以上に大きく、強く見せることができました。今の内閣は申し訳ないですが、安倍内閣と比べ物にならないほど小粒です。コロナ対策すら十分にできず、小池百合子都知事にすらやり込められる体たらくです。それが中国や韓国を相手に外交で戦えるのか、アメリカの新政権と渡り合えるのか、と言えば私の見立てでは期待薄であります。
私のこの意見を一部の方は「右翼で保守の頑固じじぃ」と思うかもしれません。それは「じじぃ」を除き全く違います。私は海外に居住しながら、あるべき信念を貫くことの意味を学び、それを自分でもできる限り実践してきました。日本国が長い歴史の中で守るべきこと、やるべきことは流行にとらわれるものではなく、永遠の枠組みの中の責務であります。奇妙な迎合主義は日本が他国の領土になるようなものでロシアも中国も韓国も喜んで分捕り合戦をするでしょう。
日本は戦闘機や武器を大量に購入しています。しかし、それは最後手段であり、脅しの一つでしかありません。国を守るのは政府でもないし、自衛隊でもありません。本当に必要なのは日本人のメンタリティがもっと強くなること、そして外交を強化すること、この二つに尽きるのです。その為には強いリーダーシップをもう一度取り戻す必要があります。カリスマ性を持つ人材、そしてそれに呼応できるチームと国民の強いサポートをどうにかして作り上げなければ日本の将来は危ういと思います。(おわり)
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