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2020-11-24 00:00
(連載1)今更盛り上がる朝鮮戦争の議論
岡本 裕明
海外事業経営者
今更ながら、海の向こうで朝鮮戦争をめぐり熱い議論が展開されています。日本ではあまり話題になっていません。色々調べてみるとことの発端は習近平国家主席の10月23日の発言だったようです。「『(習氏が)抗米援朝戦争は帝国主義の侵略に対抗する偉大な勝利だった』としながら、中国の韓国戦争(朝鮮戦争)参戦が米国の挑発のためだったとでも言わんばかりに歴史的事実をわい曲した」(中央日報)と報じています。これを受けて駐韓米国大使も10月30日に「1950年、韓国と米国、国連派兵国はともに北朝鮮の南侵に対抗して戦った」と反論。それに対して北朝鮮メディア「わが民族同士」は「朝鮮戦争が米帝と李承晩徒輩らが挑発した侵略戦争ということは決して否認できない厳然たる歴史の真実」「南朝鮮の気に障る『南侵』主張は歴史に対する無知愚昧な歪曲であり挑発だ」と述べています。
今日、なぜ、この朝鮮戦争話題を振ったのかと言えば文大統領が熱く語る統一コリアが本当に誕生する余地があるのだろうか、もう一度おさらいしたいと考えたからです。朝鮮半島の歴史の話をすれば非常に長くなるのでそこは割愛し、今日は今まであまり焦点を当ててこなかった終戦から朝鮮戦争の頃の半島の実態を探ってみたいと思います。
朝鮮戦争の実質的な期間は1950-53年で、現在においても休戦状態にあります。日本では戦後の厳しい生活が「朝鮮特需」で経済活動が活発化したぐらいにしか教科書では出てきませんし、実際その頃、朝鮮半島で何があったかほとんどの方は興味もないと思います。しかし、1945年の終戦から50年ぐらいまでの間をある程度紐解くと朝鮮半島の無茶苦茶ぶりが見えて文大統領がいう統一コリアなんて夢のまた夢ではないかと思わざるを得なくなります。
朝鮮戦争は何だったか、一言でいうと中国とソ連の戦い、およびアメリカがそれに乗っかかった巨漢同士の争いで最終的には朝鮮人は戦争の主役ではないというのが事実だと思います。ごく簡単に一言でいうと北朝鮮が韓国側を攻めた50年6月にソウルで「謎の3日間」と称される歩を止めた時があります。これが全ての間違いにつながります。それが原因で9月にはアメリカが押し返し、金日成は恐怖におののき、満州に逃げます。ここで出てきたのが毛沢東率いる中国軍です。(つづく)
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