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2020-11-18 00:00
(連載1)日本の産業の核がなくなった理由
岡本 裕明
海外事業経営者
高度成長期のころ、日本の株式市場で圧倒的取引量を誇ったのが新日鉄(現日本製鉄)など「産業のコメ」と称された鉄鋼業界でした。株価が比較的安かったこともあり、株式市場での出来高はほかの業種を圧倒していました。住宅ブームや不動産価格の高騰で建設会社の株価が踊っていた時代もあります。上場会社のリストを見るとなぜ上場する建設会社がこんなにあるのかと思っていました。差別化がしにくいこの業種では仕事を皆で分かち合うという共同体的な業界文化が育まれたのだろうと思います。
80年代は電機産業が花盛りでした。株価が往々にして高く4桁の株価が当たり前の中、日本の未来を背負うテクノロジー業種として新聞の株式欄のこのセクションには白い△マーク、3桁で株価が上昇する銘柄が目立って多かったのです。若かったあの頃はその新聞の株式欄を見て電機業界が日本のエベレストだと思ったこともあります。
その後、自動車産業にバトンを渡したはずですがなぜか、自動車産業の株価のブームは起きなかったように記憶しています。投資家がこぞって自動車関係に投資をするという風景はなかったはずです。あの頃、メディアは自動車産業のすそ野の広さ、雇用、経済規模などから日本の産業のリーディングセクターと位置付けていましたが、私は大学時代に日本の自動車産業は3社に絞られると学んでいた折、建設業がバブル崩壊で雇用の受け皿が減ったことを理由に無理やりそのようなストーリーに仕立て上げているような感じすら持っていました。あれから20年以上たったわけですが、日本の株式市場で次のリーディングセクターは何だろうと考えるとパッと答えが出てきません。
ソフトバンクグループが2016年に3.3兆円を投じて買収した半導体設計のアーム社をアメリカのエヌビディアに4.2兆円程度で売却しようとしています。ソフトバンクという会社はテクノロジー系の企業に一定の影響力を持っています。しかし、同社は日本企業には目もくれずアメリカ企業を主体に中国やインドを含めた世界中の企業に投資をし、一定の成果を上げています。(つづく)
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