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2020-11-11 00:00
外交は細かいことに気を配るべし
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
米民主党政権の対中政策がどうなるかは、日本にとり死活問題だ。そのリトマス試験紙になるのが、政権の台湾に対する出方だ。米は、台湾政策を長らく、曖昧性戦略でやってきた。それは、絶対に台湾は守ると言えば、中国は、我々と条約で国際約束した中国は一国と言う約束はどうした、とむくれるだろうし。台湾独立の機運を高め、東アジアの安全保障環境が危うくなる。その反対に、台湾は守らないと公言したなら、待ってましたとばかりに中国が台湾を武力攻撃してくるだろうからだ。
外交音痴のトランプさんはそんな政策を蹴飛ばして、台湾へ闇雲に踏み込みが激しかった。辞めさせられたボルトンがその回想録で記すように、トランプは、商売人として最後はデールで中国と手を組む前提だったと見る向きもある。ここらへんは、台湾の現外交部長は心得ているようで、現状以上の台湾独立志向は目指さないと明言している。安倍さんの貢献もあり、今の日台関係は極めて良好だ。中国、韓国、北朝鮮と色々問題を抱え、常に批判を浴びることの多い日本にとりホッとするものがある。政権のみならず、台湾住民も日本へ好意を持つものが多い。中国と異なり、公船を尖閣諸島海域に派遣して示威行動などはしてはいない。
しかし、最近漏れ聞くと、日本の環境省が、尖閣諸島で環境調査を行う計画があるとのことだ。トランプさん以上に外交音痴で、日本に取り一番中国から金を儲けられそうだった絶好の時期に、中国との関係を滅茶苦茶に壊した外交音痴の小泉さんのご子息が大臣なので、親子は似ると考えてしまう。忘れてはならないのは、台湾も尖閣の領有権は主張しているのだ。ここで環境省が何を目的にやるのか不明だが、ただの話題つくりや格好良さを求めて行うなら、絶対にやめてほしい。台湾政権は、国内の反発を受けるだろうし、政権の足を引っ張り、それが日本を恨むことにつながりかねないのだ。
以前から米国内には、米中対決の流れの中で、両国関係を何とかうまく維持させていこうとの勢力もあった。それは学界もそうだし経済界がそうだ。米経済界は、中国の経済の自由化が遅々として進まないことに対し不満を持ちつつも長期のスパンで見ると、中国と角突き合いを続けていると、かえって米経済、米企業の競争力も弱まるのではないのか、そもそも異なる政治体制を存続させたままの経済グローバル化の中では当然起こりうる事態だと大人の対応が必要だし、我慢のしどころだと述べるものもいる。中には、中央アジアはロシア、南アジアはインドの地盤だと考えると、東アジアは、中国の勢力圏にしてもよいのではないのかと極論するものもいる。民主党政権下ではこの機運が強まる恐れもあり、これは日本にとり悪夢である。
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