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2020-11-03 00:00
ロシアのプーチン政権は今どうなっているのか
飯島 一孝
ジャーナリスト
ロシアで憲法が改正され、プーチン大統領は2024年の任期満了後も大統領を続けることができるようになってから4カ月。隣国ベラルーシで大統領選挙の結果をめぐり、反体制派の抗議行動が激化、プーチン大統領がルカシェンコ大統領と反体制派との仲裁に乗り出したが、事態解決のメドは立っていない。さらに、ロシア国内でも反体制派指導者、ナワリヌイ氏が意識不明の重体に陥る事件が起きている。順風満帆のはずのプーチン政権内で、いま何が起きているのだろうか。
ロシアの政治情勢が不透明な今、それを解き明かすカギとも言える記事が10月28日付けの毎日新聞「記者の目」に掲載された。すでにこの記事をご覧になっている方には余計なことかもしれないが、まだ読んでいない方には貴重な情報を与える記事と思い、ご紹介したい。記事を書いたのは、私の元同僚の大木俊治・元モスクワ支局長で、9月半ばに日本のロシア専門家グループの一員として、ロシアの高名な政治学者や評論家とのオンライン会見に参加し、その内容をまとめたものだ。
プーチン大統領は2024年の任期満了を控え、昨年あたりから大統領退任後の去就が注目されていた。今年1月、突然憲法改正を提起し、紆余曲折を経て続投を可能とする条項が加えられた。これにより、プーチン体制は盤石になったかと思いきや、このところ指導力に疑問を抱かせるような事態が続いている。このため、オンライン会見では大統領周辺で何が起きているのかが大きな話題になった。ある識者は、ベラルーシの反体制運動がロシアにも波及し、大規模な抗議行動が起こることを恐れ、プーチン政権はナワリヌイ氏の「排除」を決めたとし、体制が揺らいでいると主張した。これに対し、プーチン政権はベラルーシ情勢に危機感は抱いておらず、政権交代のあるべき姿を考える参考にしているに過ぎないとみる識者もいた。ただ、プーチン氏が憲法の認める2036年まで大統領を続けるかどうかについては、ほぼ全員が否定的だったという。また、憲法改正の狙いについては、プーチン氏の側近たちが退任後も「プーチン体制の継続」を狙ったことから迷走し、任期を延長することになったとの見方をする識者もいた。それに同調して「プーチン氏もまたプーチン体制の人質だ」とみる学者もいたという。
大木記者は今後の見通しについて「穏やかに後継体制に進むのか、どこかで急激な体制転換が起きるかはまだ見通せない。ただ、ロシアの政界や知識人が『プーチン後』を強く意識し始めたのは確かのようだ」と指摘した。さらに、「プーチン政権がまだ続くとは考えないほうが良さそうだ。日露関係の今後を考えるにあたってはもう『プーチン頼み』では通用しなくなると考えるべきだろう」と結論づけた。北方領土問題の早期解決を求める政治家や外交官にとって、大いに参考となる見方と言えるだろう。
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