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2020-10-29 00:00
(連載2)来るべきデジタル通貨移行に向けた課題
鈴木 馨祐
前外務副大臣
(3)マネタリーベースへの影響や、現在の金融構造などに与える影響を最小限に抑えることが、今考えられている設計であれば担保できるのではないかと考えられます。したがって、基本的な金融システムの安定性や、信用創造、価値創造のエコシステムを大きく損なうことなく導入することができることを前提に考えていいと思われます。もちろん、取引量が圧倒的に大きくなれば、その負荷に耐えられる安定的なシステムが絶対的に必要ですので、そこは乗り越えねばならないポイントです。
(4)基本的にデジタル通貨はデジタルである以上は、ログは残ることになるはずです。今の現金が有していた匿名性という性質をどのようにして担保するか、あるいは、誰から見られるかを含めた、情報のセキュリティや法制度、技術面の整備が必須です。偽造防止などの論点もありますが、同時に、制度の設計次第では、様々なビジネスイノベーションに大きく寄与する有為なビッグデータにつなげることがより可能になりますので、経済の競争力向上に大きく資する可能性があると考えられます。
(5)日本は現金比率が20%程度と大変高い国ですし、間接金融の割合が非常に高い国です。このような特性を持った経済である日本の現状を踏まえた、システム原則の構築をグローバルにするほうが日本にとってメリットが大きいことを考えれば、いずれその方向に進むのであれば、早期の段階から議論をリードする立場になったほうが良いと考えるべきです。
こうした意識の下で、日本の将来にとって最も良い選択がどうあるべきか、しっかりと検証し、実行してまいりたいと思います。(おわり)
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