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2020-10-26 00:00
日本の果たすべき核軍縮への道
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
50番目の批准国に中米のホンジュラスがやっとこさ入り、めでたく核兵器禁止条約の条件が満たされ、90日後の2021年1月より発効することとなった。 米の核の傘の下に庇護されている日本や、核保有が認められている国連の常任理事国5か国とNPT条約に非加盟のインド、パキスタン、イスラエル、それと脱退した北朝鮮は同条約に参加していない。 それゆえ、世間が言うほどめでたしめでたしではないのだ。 誰が考えても、これでは同条約は絵空事の世界なのだ。 真の核軍縮、平和への道は口先ばかりではなく、全知全能を尽くし、ある場面では、日本は米中間の橋渡しをしたり、長く苦しい努力が必要な世界なのだ。 中曽根さんのレーガンさんへ、安倍さんのトランプさんへの、信用関係を構築して適切なタイミングでアドバイスするような行動も必要なのだ。 新政権によるご努力を期待したい。
私の長い中国人との付き合いで最近気になるのは、中国の一部エリートが、コロナで苦闘する米や欧州を横目に見て、何事も力ずくで抑圧できる専制国家の利点や最近目覚ましく進歩したAIなどの先進技術の力で、他の国々に先駆けて経済も回復しつあることから、以前の謙遜さが鳴りを静め少し自信過剰になっていることだ。 彼らは、米は思っているよりもはやくダメになりつつある、米が中国へ仕掛けている貿易や先端技術移転での強硬措置はそのコンプレックスの表れだと、述べたりしている。
しかし、世の中は彼らが考えるほど単純ではないのだ。彼らは中国自体の弱みを顧みることを忘れている。例えば早すぎる老齢化社会の到来である。中国では、日本と違いまだ社会保障体制の整備が進まない中でそれが来てしまう。また、まだまだ後進国並みの環境問題である。 日本人は忘れてしまうのが早いが、ひところ騒がれた毒入り餃子事件の土壌は無くなってはいないのだ。中国は長い海と陸の国境を抱え、紛争の火種も多いのだ。日本人は尖閣にばかりとらわれているが、それ以外に南シナ海、インドとの対峙と紛争の火種は尽きない。そして最近の中国の強硬外交は、国際的に批判の的になりつつある。最近会った東南アジアの学者が述べるのには、中国へ厳しい発言をする政治家を落とすために、現地にいる外交官が選挙で同人を落選させるために中国へ甘い政治家に肩入れをして、華人たちに圧力をかけて投票を強いるという事態も生まれているようだ。
彼らは忘れている、米国の強力な復元力の強さをだ。11月に誰が当選するにせよ、米は、中国から足元を見られることを警戒し、着々と準備を始めるだろう。 コロナ騒動の経験から、今後マスクや医療用品のみならず、各種製品の中国依存の大きさに懲り供給源の分散など、いろいろ工夫をこらせてくることを。
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