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2020-10-25 00:00
前途険しい核軍縮への道
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
1987年に締結されたINF条約(中距離核戦略条約)は、米のレーガン大統領とソ連のゴルバチョフ書記長との間で結ばれた。中曽根総理は、レーガンさんへ日本やアジアの立場を細かく説明しアドバイスした。レーガンは親友の言い分を極力入れることに努力した。同話し合いは、当初欧州での中距離ミサイルにのみ焦点が当てられていたが、その他の地域特に極東も視野に入れること、現地査察を含む検証も行うことが出来た。この条約は包括的な軍縮であり、今一つ焦点が定まっていなかったのだ。これらが実現することは核軍縮交渉では画期的と言ってもよいことだった。
安倍総理もトランプ大統領に、北朝鮮との交渉の際に忘れてならないのは核廃絶後の朝鮮戦争休戦協定だと口を酸っぱくしてアドバイスした。それゆえ今、文韓国大統領が、北との融和を急ぐあまり休戦協定を先にやろうというのに米国は強く反対している。しかし、民主党政権になった場合どうなるかの不安は残る。このINF条約を脱退したのはトランプ大統領だが、彼はTPP、環境問題のパリ条約など次々に脱退した「脱退好き」ではあるが、このINF条約について、ロシアが内容を遵守しないと噛みついて、プーチンを怒らせ、喧嘩を始めたのはオバマ政権時代だ。オバマ大統領は、対抗手段としての脱退を仄めかしてもいた。米国は、国力の落ちたロシアに代わり、中国など条約の制約下にいない国々が、自由に核やミサイルの開発に動いているのを横目で見て、しばらくの間、気ままに動きたいとの思惑もあったのだ。
第2位の経済大国として、中国は各分野で米を猛追している。世界でいち早くコロナの災禍から抜け出し、経済も動き出していると自信を深めている中国は、核やミサイルでも積み重ね始めつつある。専制政治の利点で国民を抑圧してでもこの方面では手を緩めないのだ。日本学術会議の一部会員が、日本が軍事研究を行うことにたいした猛反対し、一方中国の軍事力増強に寄与する研究機関に協力しているのは、まったくばかげた話である。オバマ大統領は、「核兵器の無い世界での平和と安全保障を追究」(2009年プラハ演説)と述べ、ノーベル平和賞をもらっている。しかし、今の世界情勢は皆様ごらんの通り危うい限りだ。中国の軍事力増強に合わせ、日本も米国と協力して歩調を合わせ、ミサイルなどの迎撃システムの整備に励むことは勿論、あるいは直接攻撃も視野に置いた戦略も考えねばならないのだ。コロナの災禍どころではない長く苦しい国民生活も覚悟する必要もあろう。
今、日本の国防の最前線で働く人たちは、ハラハラしながら、世界を眺めているのだろう。知り合いの元米軍人によると、日本の自衛隊関係者はまるで手足を縛られ猿轡をかまされているかのようで可哀そうでならないと述べている。日米共同の軍事訓練もこれからはより頻繁になるだろう。日本の一般人は、軍事訓練などは、スポーツの練習試合みたいに考えている向きが多いが、死ぬか生きるかの実戦に近い訓練も行うし、そうでなけれた本当の戦闘に役立たないのだ。その場合、優秀な自衛隊員も法の制約や日頃の武器弾薬の不足などで基礎的訓練もきちんと出来ず、このような実践に近い軍事訓練の際に事故を起こしがちだ。米国の自分の親友の息子が、この軍事訓練で日本の自衛隊の練度の不足している隊員により、撃ち落され幸い死にはしなかったが重傷を負い怒っていた。自分は、本来優秀な日本の自衛隊の人たちを知るだけに残念でならないと述べていた。
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