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2020-10-09 00:00
(連載2)環境対応は待ったなし、日本は準備はできているか
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
どんな優秀なエンジンも、品質の良いガソリンがなければ動かないのと同様に良いEV車を動かすためのユニットと動力が必要になってくる。当然に充電池と、急速充電装置、そして電力が各国で争奪戦となる。要するに、いままでは化石燃料が発展や運輸の重要な原動力であったが、グリーンなエネルギーとそれを保存する充電池が求められることを意味しているのであり、その生産資源の争奪戦が始まるのである。基本的に「銅」は現在は多くが海底熱水鉱床にあって、アメリカやカナダなどの資源会社がそれらの資源開発を行っている。銅の採取は周辺の環境破壊が大きいために陸上で採掘を行う場合は、その環境対策が重要で、日本でも明治時代に足尾銅山事件などがあったが、まさにそれである。そういう意味で、海底資源は日本にとっても戦略的な注目に値しよう。
そもそも鉱物資源に乏しい日本の場合は、リサイクルは重要な資源獲得手段となるだろう。スマートフォンなどの精密機器に使用された銅などをリサイクルで回収する取り組みが徐々に進んでいるが、かつては輸入一辺倒であった。というのも、日本の産業界は、「リサイクルは経費的に全く考えられない。日本の資源戦略などは企業の経済的感覚の埒外」ということであったからだ。すでにプラザ合意などで痛い目に遭っているにもかかわらず、大局的に見れないのは困ったものである。
なお、従来ロシアなどに依存してきたニッケル、コバルトなどの希少な金属に関しても、日本のEEZ内の海底にあることが近年わかってから中国が狙っており、退路資源外交のみならず、対中関係にも機微な感覚が求められるように今後なっていくだろう。資源の争奪戦に負けないだけでなく、大陸の大国達との対話の引き出しを増やせるだろうし、そうなるように考えないといけない。
それだけではなく、日本はアフリカや中東での様々な環境や資源の問題をどのように考えるべきなのか。これらの地域は単に船でモノを運んでくるというだけでは今後は済まない。この「あて」がないところは環境にマイナスな国とアセスされてしまいかねず、将来的にはペナルティを受けかねない。そのような時代になる前に、環境問題や資源戦略の準備が必要なのではないか。(おわり)
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