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2020-10-03 00:00
コロナ禍でこそ省みるべき食料自給率
真田 幸光
大学教員
私は子供の頃からパンが大好きです。朝ごはんはお米ではなく、必ず、パンでもありました。また、私の弟は、小学生の頃から、「イースト菌を買ってきて、これを発酵させて、パンを作ること」が好きで、しばしば、家で、パン作りまでしていました。そして今、日本では、「パンの文化」が更に定着しているものと思います。また、最近では例えば、「メロンパン」などが流行し、日本人はもとより、浅草などの観光地では、コロナ前には、その日本で流行っているメロンパンをわざわざ求めて食べている外国人観光客の姿も見るまでになっていました。さて、そのパンの基本原料は、小麦粉・イースト・水・塩の4種類となっています。そして、水を除く、三種の原材料の自給率が低いことに気がつきます。例えば、小麦粉の日本の自給率は、僅か、「10%」となっています。
そして、世界の小麦の生産量の多い国を見ると、(単位:トン 出典:Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO) - FAOSTAT - Production, Crops, Wheat, 2016(国際連合食糧農業機関(FAO)「FAO統計データベース」(生産、作物、小麦(2016年)))小麦の生産量の多い順に、1位:中華人民共和国1億3168万9035トン、2位:インド9350万0000トン、3位:ロシア7329万4568トン、4位:アメリカ合衆国6285万9050トン、5位:カナダ3948万6700トン、6位:フランス2950万4454トン、7位:ウクライナ2609万8830トン、8位:パキスタン2600万5213トン、9位:ドイツ2446万3800トン、10位:オーストラリア2227万4514トンとなっています。
また、イースト菌の輸入も多く、日本の貿易港での、「細菌類の輸入に占めるイースト菌輸入の比率」は6割を超えています。そして、そのイースト菌の、日本の主要輸入国は、「フランス、アメリカ、オランダ、イギリス、中国本土」となっています。最後に、日本は昔から、塩田などを持ち、塩の生産国でしありますが、塩の自給率は、11%に過ぎません。
そして、日本にとっての塩の輸入は、主として、「メキシコ、オーストラリア」からなされています。こうしたことから考えると、例えば、上記に掲げた国と日本の関係が悪化し、輸入が出来なくなれば、日本ではパンが作りにくくなることは明らかです。このように、パンひとつ見ても、日本の、「食料自給」は実はとても厳しい状況にあることは自明の理であります。
こうした中、国家は、「国民の生命財産を守る」ことが一つの大きな役割となっていることからすれば、私は、「国家は食料自給率を少なくとも100%にしていく義務がある。」と考えており、農業や畜産業、水産業などの一次産業の充実を目指すべきであるとも考えています。そして、私がご縁を持つ、また尊敬する企業経営者の方は、「小麦の生産」から自社で行い、自らの手で育てた麦や国産の塩、イースト菌をなるべく使いながら、「魂を込めて」パン作りをし、更に、地域に根ざす為に、店舗には、多目的広場や公園、遊技場などを完備、地域イベントなども開催しながら、パンの製造、販売、そしてレストラン展開をされています。最後になりますが、国家は、食料だけではなく、「人々が生きていく為に必要なもの」であるところの、「水、原材料、エネルギー」の国内自給率も高めていく必要があると、特に新型コロナウイルス問題発生以降の今、私は強く考えています。
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