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2007-06-29 00:00
連載投稿(2)進展する日本の対中環境協力の実績
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
これまでの日本の対中環境協力は、基本的には中国政府の要請に則って、環境政策・人づくり・制度・物理的インフラ構築で大きな貢献をしたが、その結果中国全土で、各地の多様な環境問題の解決に向けた大きな進展があり、末永く中国の環境改善に大きな力を発揮することになるということは、(筆者が一昨年から昨年にかけて北京で実施した日中両国の関係者のみならず、大学生、中堅管理者層、NGO、中国在住邦人等を対象としたアンケート調査からも)明白である。この認識が、現在内陸部・中西部はもちろんのことだが、東北部・南部地方の一般大衆の間にも、まだ浸透していないことは事実であるが、これは時間の問題と考える。
重要なことは、わが国の対中環境協力が中国各地における国民一般の環境意識の向上と中国の環境市民団体の能力形成にも大いに貢献し、徐々に中国社会に広く認識され始めたことである。特に、円借款は、発電、上下水道、防災施設等のインフラ整備はもちろんのこと、技術協力と共に、中国政府に対して環境政策・制度構築で多くの新しい考え方や仕組みを提供してきた。対中投資民間企業による技術移転、人づくり整備と相俟って、中国の環境産業発展の基礎づくりにも貢献した。
さらに、無償資金協力は、中国政府が環境問題の解決の重要性について認識しているにもかかわらず、高度経済成長の優先から予算配分が十分でなかった教育・訓練・衛生施設等の増設、留学生招請事業を通じて、環境保全の分野で、さらに医療保健施設の改善による環境被害者救済・保護を通じて先駆的な役割をはたしてきた。また、草の根・NGO無償援助や地球環境基金を通じたNGO環境保全協力プログラムは、中国各地において発生している地域レベルの深刻な環境問題の解決に大きな意義をもってきたし、日本と中国国民の草の根レベルの交流と友好関係の深化に果たしてきた役割は賞賛に値する。
特に、前述の日中友好環境保全センターを通じた対中環境協力プログラムは、中国国内の環境問題の解決のみならず、結果的に中国の近隣諸国との環境協力の土台を構築し、地球環境保全にも役立ち、環境分野における中国の国際的責任の一端を担ってきた、といっても過言ではないだろう。(つづく)
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