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2020-09-01 00:00
(連載1)コロナ対策と経済対策のバランス
鈴木 馨祐
外務副大臣
中国で発生した新型コロナウイルス感染症は、国内においても世界においても依然として猛威を振るっています。屋外での感染可能性が下がると言われている7~8月の高温多湿な日本においても、感染がここまで拡がっているということは、11月以降は今以上に感染が拡大する可能性が高いと考えざるを得ません。そして、同時に、以前も指摘させていただきましたが、輸出が2018年レベルまで回復するまでに数年かかり、当然設備投資も抑制され、また個人消費も個人の消費行動の変化や国内消費とインバウンドの動向を見れば、元に戻る可能性は極めて低い状況があります。今後冬場の第二波が常識的には11月から4月ごろまで6か月、つまり今年前半の第一波の三倍の期間続く可能性があることを考えたとき、サービス業や製造業の自主廃業や倒産、失業、金融不安のピークが来年やって夏にかけてやってくる可能性は否定できません。
リーマンショックの時には、ヒトやモノの移動制限が全くなかったにもかかわらず金融不安からその後約一年間にわたって連鎖的に実体経済が大きく傷んだことを考えれば、世界中でロックダウンがされ、日本においても緊急事態宣言で経済活動が大きく止まり、まさに「瞬間凍結」された今年前半とは違った、深刻な不況がこれから始まる可能性を考慮しておくべきです。
今や、新型コロナ感染症の影響が治療薬やワクチンが普及するまでの相当な長期間世界で残るという、2、3月には誰も想定していなかった状況に世界は直面しています。我々としても、「6月には世界で新型コロナが収束して、完全な形での再スタート、V字回復ができる」という前提で行った、いわば2月終わりの状況をそのまま6月に残すために「全ての企業や雇用を守る」という今年前半の経済政策とは全く異なった政策を講じて行かねばなりません。
これから我々が行っていかねばならないのは、これからやってくる雇用・失業危機や金融危機をどう最小化できるか、という政策であり、また一定期間後に感染症が収束しても「需要が戻る」ことはありえず「需要がかなり変化する」という、新たな現実に対応できるような供給サイドの改革を進めるための政策です。過去の様に、緊急対応ということで需要を無理やり公需でカバーするやり方は今回のような需要の構造変化を伴うショック時には適切ではありません。需要の変化を先取りして柔軟に対応する、あるいはしたたかに需要の変化を作り出せるような変革を供給サイドが行えなければ、大不況の中で皆が不幸になることになりかねません。(つづく)
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