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2020-08-31 00:00
「安倍総理辞任に寄せて」への補足
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
8月29日付け本欄に掲載された拙稿「安倍総理辞任によせて」の内容に対し、知人から強烈な反論があったので補足したい。知人は、「日本は仏教、神道が主な宗教の国だ。キリスト教、その中でもカトリック(旧教)を取り上げ、安倍外交の一つの功とみなすのはうなずけない。また、昭恵夫人を援護するのは良いが、フランスの正式に結婚しておられない夫人に感謝されたからと言って、特にそれを話題にするのはどうか」など彼は手厳しい。筆者の子供時代の強烈な記憶は、戦地へ赴く若者たちの姿で、そして、口々に靖国で会おうと述べていたことだ。同神社は自分の一番尊い場所だ。記録を調べると、敗戦後GHQが連合国の識者たちに、靖国存続につき諮問した際、強力に存続を主張してくれたのはカトリック教会であった。
タヌキオヤジでもある吉田茂が敬虔なカトリック信者だとは言わないまでも、彼が、主敵米軍のメジャーな宗教であるキリスト教プロテスタントの対抗宗教を選んだのは、彼一流の皮肉なのかもしれない。彼は晩年、俺は天国泥棒をするのだと人々を煙に巻く発言をしていたそうだ。神主さんたちの大学として皇学館大学が伊勢にあり、総理退任後はそこの名誉総長をしていたので、死後カトリック教徒の洗礼を受けたと聞いて慌てたのは大学の関係者たちだ。いくら何でも、他宗教の者を名誉総長にしておくわけにはいかない。それを救ったのが安倍総理の祖父の岸信介さんで、吉田さんの後を快く引き受けてくれたそうだ。今の麻生さんとの親密な関係につながる話だ。
一国の総理ともなると、同じ西側の国でも徹底的に身元調査を行う。私が見た米の某文書は、安倍総理の母校の成蹊学園には大久保先生という右翼の教師がいて、日本は国力を高めて復讐戦を行うのだと述べていた、と記されていた。同学園は、座禅などを行い右翼的だ、教師にもそうした色合いのものが多い、などと記されていた。中村草田男が国語を担当したりとかなかなかユニークではあるが、学園創立者の中村春二氏は、植物学者の牧野博士の資金援助をするなど学術面では幅広く活動をされているが、特に右翼的とは認められない。座禅は、成蹊では凝念と呼称し、30分から1時間ほど黙想する時間を持つ。同報告書には、祖父の岸信介氏は、心情は反米でそれは安倍総理にも伝わっているかもしれない、などと記されていた。岸信介氏は戦犯として巣鴨にいたわけで、戦時内閣の一員として対米対決に尽力したことも確かだ。安倍氏がいろいろな場面で述べているのに、成蹊学園内でも、当時は岸氏の安保改正について理解されず、学園内でもの岸批判、安保批判の声が圧倒的だった。
この米の報告書内容のように、安倍氏が反米的な心情を心の奥底に秘めているのかは定かではないが、日本の存立が第一で、その他の国の地位はずーっと低いのだ。日本のメディアは、まだ白人崇拝で、韓国、中国の反日的なニュースには微に入り細に入り報道する癖に、フランスなどが出すと黙ってしまう。フランス人の若い女性が、尾瀬の付近で消息を絶った事件があった。日本の警察は、100人近くの人を張り付け捜索を行つた。その後、同女性は精神的に悩んでいてくすりを服用していたようだ、ということがわかった。しかし、フランスでのG7の冒頭、その遺族を登場させ、日本の警察の非協力を世界へ非難させた。その頃、筑波大学の女子学生が、フランスで明らかに南米の留学生とのデートの後行方不明となって、同留学生が怪しまれているが、その捜査は進んでいない。最近のインド洋での座礁事故も船長はインド人だし、船員も他国人だ。しかし、日本の非を鳴らされている。その意味でも、前フランス大統領夫人が日本の良い面を書いてくれたのは助かるのだ。
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