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2020-08-19 00:00
(連載2)日本の景気回復は中期的にどうなるか?
岡本 裕明
海外事業経営者
日本はサービスが過剰になっており、そのために余計な費用を払い過ぎている気がしています。いわゆるお手軽モノといわれるものでスーパーの総菜からお手軽キャンプやBBQまである意味、サービスの盛り過ぎややり過ぎでそれに対して人々はお金を使わされているという気がします。北米では金のない若者はないなりの生活や遊び方を満喫しています。個人的にはサービス消費はコロナが背中を押して自分で楽しむスタイルが増えるとみています。これはサービス消費の戻りが遅いことにつながるかもしれません。モノの消費については人に会わない、会食もなければ会社の集りもないとなればアパレルやアクセサリー系は厳しいと思います。これも海外との比較ですが、日本人の身だしなみは美しすぎると思います。おしゃれすぎです。個人的にはこれも回復しにくい消費の一つだとみています。一言で言えばサービスのオーバーシュートです。
7-9月のGDPがある程度戻すだろうことはよほどのことがない限り確実でありますが、私は戻り歩調は鈍いとみています。3四半期連続で落ち込んだそのきっかけは消費税増税でした。あれだけ対策をしたのに落ち込むという意味は日本で「消費の体力」が落ちているとしか思えないのです。「消費の体力」とは私の造語かもしれませんが、本来消費とは労働所得を得ている勤労者層が自分の稼いだお金を使うことでフローが起き、消費を繰り返す正しい経済の育み方であります。
ところが日本の場合、高齢者による支出に頼るところがあり、ストックの消費になりがちです。これは体力がいずれ限界に達するという意味であり、不健全であります。例えば政府が孫への教育支出に一定の免税枠を設定したり消費の現場でも祖父母が孫にいろいろモノを買い与えたりするのはストックの切り崩し。同様に様々な相続税対策も全部ストックの経済と消費なのです。フローの回転が起きない理由は勤労者の生産性が上がらず賃金が上昇していないことにあり、労働に対する刺激が生まれていないことが最大の懸念です。賃金が上がらないのは経営の効率が悪いからともいえます。勤労者側にするともっと頑張ればもっと稼げるという一昔前の創業機会が狭まったこととそれでも立ち向かうガッツが欠落しているのでしょう。
外国からの消費支援(=訪日外国人)は当面期待できず、輸出は中韓勢に押され気味となれば中期的な日本の経済の回復度はU字でもないしL字でもなく、あえて言うなら「レ」型回復ではないかとみています。そもそも2019年夏のレベルに戻せるのかというレベルだとすればコロナは日本経済の構造的弱点を刺激したかもしれません。(おわり)
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