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2020-08-18 00:00
(連載1)日本の景気回復は中期的にどうなるか?
岡本 裕明
海外事業経営者
日本のGDP4-6月がマイナス7.8%(年率換算27.8%)に落ち込みました。冒頭からあまり文句を言いたくはないのですが、このGDPは年率換算で表記する意味は統計的にはほとんど意味を成しません。むしろ、不安を煽るだけです。確かにアメリカマイナス32.9%、ユーロ圏マイナス40.3%、英国に至ってはマイナス58.9%と報じられており、比較する上で表記を揃えるという意味では構いません。ただ、年率換算ということは4-6月の状態が1年間続いた場合の数字でありますが、このようなパンデミックが1年間「安定的に続く」という前提は何処にもありません。勿論、悪くなる可能性もないとは言いませんが、一定の回復力を期待する向きが大きいわけです。とすればあり得もしない年率換算の数字だけが独り歩きするのはいただけないのです。
さて、本題はこの日本のGDPの落ち込みはどこまで回復できるだろうか、であります。マイナス7.8%の内訳は消費がマイナス4.8%、外需が3.0%です。うち、個人消費はマイナス8.2%となっており、過去の消費税上げ後の落ち込みをはるかに凌駕して過去最悪となりました。思ったより強いと感じたのが設備投資のマイナス1.5%、および住宅投資のマイナス0.2%であります。これは企業側がコロナ禍は一時的なものと考えている節とコロナが変えた新しい消費や経済活動に対する投資増があったとみています。
住宅については低金利が続くため、ある程度の需要はあるはずです。本日(18日)に発表されたカナダの7月度中古住宅の販売件数は前月比26%増でコロナ前を凌駕するどころか新記録となっています。金利が低いこともありますが、コロナで家の価値が見直された可能性があります。以前お伝えしたように韓国も不動産高騰が続きます。日本も人口こそ増えませんが、本来であれば住み替え需要が起きてもよいとみています。密になる高層マンションのエレベーターや仕事部屋がない集合住宅より戸建てにシフトするといった生活の変化がないとは言えないでしょう。
問題はサービス消費です。コロナの間は勿論、サービスに制限がありましたが、日本でそろそろサービスに関する新しい発想が生まれるかもしれない気がしています。2000年代後半、日本の未来が真っ暗になっていた頃、若者が公園飲みに走ったのを覚えていますでしょうか?コンビニでアルコールを買って公園で飲むのです。また、高アルコール飲料が増えているのは数百円で酔えるからというものですが、その背景はいかにお金を使わないで楽しむかという若者なりの工夫だと思います。(つづく)
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