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2020-07-22 00:00
米中対立の狭間でどう生き抜くか
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
小生の長い中国での滞在で思い出すのは、日本の愛国を名乗る評論家などが、安全地帯の日本で中国を存分に罵る。それに対し中国の官製メディアは激しく反発する。中国社会の対日空気が悪化する。愛国教育に染まった元気のよい中国児童に、現地校に通う日本の児童が虐められる。中国の先生たちはそうした場合、ほとんど日本人児童を弁護し、「彼ら、彼女らは中国と仲良くなるためにはるばる中国へきているのだ。彼らも日本軍国主義者たちの犠牲者でもある」と言って庇った。
最近ある自民党関係者と話したが、彼は世界経済1位の米国と2位の中国と一人が上手くつきあうなど到底無理なので、それぞれ、個人も企業も米国組と中国組とに特化しないとだめだと述べておられた。二階幹事長は、1979年天安門事件で西側全体が尻込みする中で、中国とのチャンネルを絶やさないようにと尽力しておられた。そもそも民主国家の日本や米国では、総理や大統領をいくら批判しても許されるが、独裁国家ではそれはダメなのだと述べておられた。
専門誌「公研」7月号で、作家の阿刀田高氏が次のように述べておられる。「中国についていうと民主主義国は一つの勢力に走りすぎることはあまりない。必ず反省が働く。しかし、中国ではそうした機能が働いていない。そのうち内部から爆発」。
また、同誌でエコノミストの吉崎達彦氏は次のように述べている。「欧米はコロナで大きな被害を受け、中国は機微なので今後益々中国が強くなると予測する人がいるがそんな簡単な話ではない。今中国国内で『一帯一路』などの海外援助への厳しい見方が出ており、外国に貸し付けた金の貸し倒れが多くなってきている」。それぞれ傾聴に値する言葉だ。
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