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2020-06-29 00:00
(連載1)習近平氏が犯した最大の間違い
岡本 裕明
海外事業経営者
東アジアの3つの国、日本、韓国、中国は様々なシーンで比較対象になります。今日はこの比較をした上で習近平国家主席が犯した間違いについて検討してみたいと思います。日本でバブル崩壊後に日本社会で起きた様々な変化の一つに情報公開が定着したことと自由度が増したことがあります。日本は80年代までは爆走機関車「エコノミックアニマル号」的な集団の力をテコに驀進していましたが、バブル崩壊以降、個人の尊重がなされ、働き方が変わり、人々は自分の時間と行動を楽しむようになりました。思想についてもより自由度を増したというのが私の印象です。
では韓国はどうでしょうか?韓国も80年代から90年代初頭にかけて高い成長率を誇りました。そして97年の通貨危機を経て一段と国際化が進んでいきます。その間、韓国でもまた様々な自由化の波が押し寄せました。87年の民主化宣言を皮切りに93年には金泳三大統領による文民政治が、また、89年にようやく海外旅行の自由化が実現しました。2000年代には、一時的だったかもしれませんが日本との関係が改善し、サッカーW杯を日本と共催し、韓流ブームを起こすなど開かれた国家をアピールしました。日本はバブル、韓国では97年の通貨危機を経て国際社会の一員としての認識を高めたといってもよいかと思います。
では中国。個人的には08年の北京五輪、10年の上海万博の頃が「世界の工場」として確立した経済的地位がピークだったとみています。つまり日本の89年、韓国の97年、そして中国の08-10年です。特に08-10年の間はリーマンショックの対策として60兆円余りの景気刺激策を実施したことでバブルが崩壊し、今日まで苦しんでいます。日本や韓国を踏まえれば、2010年代の中国は五輪や万博を通じて開かれた中国をアピールすべきでした。国民に自由を与え、国際社会との協調性が重視された国家運営が定着することが本来であればあるべき道筋だったのです。
ところが、習近平国家主席はそうはせず、共産党体制の強化を目指し、対外的には数字を取り繕い、国民には情報を制限し、行動を管理する真逆の国家運営をしてしまったのであります。もしも習近平氏が開かれた中国を標榜し、より民主化を進めていれば世界経済のリーダーシップをとれた可能性があります。が、イデオロギーにおいてアメリカと敵対してしまったのです。(つづく)
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