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2020-04-21 00:00
金正恩が重体だというなら
荒木 和博
特定失踪者問題調査会代表
先日、「北朝鮮で何かが起きている」(2020年4月13日、e-論壇「百家争鳴」)と述べた拙稿の話の流れのことですが、金正恩が手術後重篤な状態にあるというニュースをCNNが流しています。情報の真偽は分かりませんが、ともかくこのところの北朝鮮から漏れ出る情報は重要なものが多いです。ここのところ金正恩の妹である金与正が後継者であると暗示するような演出が散見されていること。4月15日の金日成誕生日に金正恩が出てこなかったこと。コロナウイルス感染拡大で軍が1か月活動を停止していること。その一方でミサイルを乱射したこと。このように、今年に入ってからの北朝鮮の異常な動き、特定失踪者問題調査会が北朝鮮向けに行っている短波放送「しおかぜ」への妨害電波の状況からすれば、金正恩が健全な状態にいないことだけは間違いありません。
北朝鮮は分断以来75年間、一度も民主主義を経験していません。それどころか金日成の血統で親子孫と独裁者の地位が世襲され、集団指導制すら経験していないのです。そんな北朝鮮でトップの権力が空白になったらどうなるでしょう。これまでの経緯から言っても民族性から言っても、短期間ならともかく中長期的な集団指導制が成立しうる余地はないといっても過言ではありません。
ちなみに、金日成から金正日、金正日から金正恩というのはとにかく後継者が決まってからの継承でした。しかしそれでも金日成から金正日の間には親子の血を血で洗う衝突があり、結果的には金日成は金正日に殺されたようなものでした。だから後継者に決まっていたにもかかわらず、金正日が党総書記になるのには3年かかり、国家主席のポストは4年後に廃止されてしまいました。
金正日は自分が倒れてから危機感を持ち、生きているうちに金正恩を後継者に定めました。しかし、まだ金正恩の後継者は決まっておらず、今後どうなるかもまったく分かりません。後から「実は私はこうなると思っていた」というのは簡単ですが、それでは時間を無駄にしたのと同じです。大事なのは不確定要素の多いこのような場面で、どう情勢を解釈し機会を見出すかです。この際評論家的な視点は不要です。拉致問題や核問題などの深刻な安全保障問題を北朝鮮とのあいだに抱える日本としては、事実関係を可能な限り押さえなければいけませんし、間隙が生じるならばその機会を絶対に逃してはいけないと思います。
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