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2020-04-17 00:00
(連載1)小康社会と共産党支配の正統性のために
加藤 隆則
汕頭大学長江新聞與伝播学院教授
日本ではあまり関心が持たれないだろうが、中国国内ではようやく学生たちも大学に戻る時期を気にするほど、正常化に近づいている。当初の混乱を乗り越え、厳格な管理を徹底させ、短期間で、感染拡大を一定程度コントロールした中国の対応は評価されてよい。
こうしたさなかに、自分たちの無策を棚上げにし、「武漢肺炎」だと吹聴した国会議員は、当人だけでなく、それを放置放任している政界、社会全体を含め、大いに反省すべきである。目前の困難から目を背け、自らを欺いたところで、最後のツケは自分で背負うしかない。陰謀論にでもかぶれていない限り、私たちが向き合っている現実は、世界が手を携えて取り組まなければならない課題なのだ。困難にあたって政治が自己都合ばかりを主張し、庶民がデマに振り回されている日本は、世界からどのように見えているかを想像してほしい。
この間、情報隠しの失態や低い衛生水準や医療水準などのあら探しに奔走し、対岸から他人事と決めつけて高みの見物をしていたメディアにも大きな責任がある。さらに、「習近平政権が動揺している」「一党独裁の弊害だ」などとお決まりの発言を繰り返していた人たちも、いい加減目を覚ましたほうがよい。色眼鏡を外し、より多面的に物事をとらえないと、健全な世界観は養えない。日本メディアによる多くのいわゆる「報道」は、オフィスの机に座って、ネット情報を加工しただけで量産されている。そうした記者たちの作文に踊らさることなく、人間社会の常識をもって、生活者の視点から真相を見極める努力をしなければならない。
情報統制のなかにあっても、現場に出向いて取材を貫いた中国メディアの記者は多数いる。いまだにSNSを使って個人で情報発信を続けている人たちもいる。まだ外に一歩も出られない人々もいるが、一日も早い正常化を願い、ひたすら困難な状況に耐えている。正常な想像力を働かせ、こうした隣人の状況にもう少し目を向けられないものか。(つづく)
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