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2020-04-01 00:00
竹島問題の今-無理筋が通る韓国の「独島」解釈-
真田 幸光
大学教員
日本と韓国の間には、「竹島」の領有権問題が存在し、日韓関係の悪化の一つの大きな背景となっています。私の認識では、近代法治社会になってから後、最も早く竹島の領有権を国際社会に認知させたのは日本であると言う前提の下、日本政府は、サンフランシスコ平和条約(1951年9月8日)が竹島を日本領と認めており、竹島は日本領であると主張しています。即ち、サンフランシスコ平和条約第2条では、「日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権限及び請求権を放棄する」と定め、日本が放棄した島の名称の中に竹島が入っていない、即ち、放棄していないと言うものであります。その通りであり、実にロジックであります。これに対して、韓国がその竹島の権利を主張、更にそれを「軍事力を持って不法占拠していることは現在の国際法違反であり、何を言い訳しても許されることではない」と私は確信しています。
ところが、韓国のトップの大学と言われるソウル大学の名誉教授にもなっている人である、シン・ヨンハと言う人でさえも、「サンフランシスコ講和条約は、韓国の独島領有権を公認した」との不思議な主張を最近、始めました。即ち、シン教授は、講和会議2日目の9月5日、連合国の対日平和条約締結の責任を負ったジョン・フォスター・ダレス条約準備委員長が参加51カ国の代表の前で行った演説に注目し、ダレス委員長は4時間余りの演説で、日本の領土条項についての「有権解釈」を下した上で、終戦直前に出たポツダム宣言(1945年7月26日)は、日本の領土を、「本州、北海道、九州及び四国並びに連合国の決定する諸小島」に限定し、日本はポツダム宣言の要求に基づいて無条件降伏し、連合国軍総司令部(GHQ)はポツダム宣言に基づき1946年1月にSCAPIN(連合国最高司令官指令)第677号を下し、日本の領土から独島を除外して韓国に返還した。サンフランシスコ講和条約には、占領当局(GHQ)が占領期間に執行した全ての指令と措置を日本政府が承認し、後に訴訟を起こさないという条項(第19条)まで含まれ、日本の、衆議院は、日本政府が独島を韓国領として描いた、『日本領域参考図』を検討した後、平和条約を承認した。日本が放棄する島として済州島、巨文島、鬱陵島にのみ言及したのは、独島があまりに小さい無人島だった為、簡潔な条約に載せる必要がなかったからであって、日本がこの3島を除く韓半島周辺のおよそ400の島々を領有するという意味では全くない」との主張をしているのです。
しかし皆さん、現在の国際法、否、法治社会に於いては、原則は、「書面において法の判断が下される」という形式が取られているのであり、百歩譲って、シン教授の分析が正しかったとしても、法治主義の下では、それは、「竹島は韓国の領土であることを証明したことにはならない」のであります。韓国のトップの大学であるソウル大学の名誉教授でさえもこんな判断をするのです。従って、この延長線では、欧米から、「韓国は法治主義国家ではない」との見方も出てきてしまうのです。
尚、因みに最近の日本の様子を見ていて、欧米の一部からは、「中国本土や韓国同様、日本も三権分立の確立していない、法治国家とは言えない状況にあるのではないか」との疑問の声が出ている点は、私たちも真摯に受け止めておくべきかと思います。
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