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2020-03-12 00:00
(連載1)渦中の中国社会と手肌感覚の日中友好
加藤 隆則
汕頭大学長江新聞與伝播学院教授
3月2日に北京に送ったマスクやお菓子などの荷物が3日後の5日到着した。一か月前であれば2、3週間は待たなければならなかった。郵便局の窓口でもかなり時間がかかりますと念を押され、ある程度の覚悟はしていたが、すでに正常化しているのには驚いた。中国は厳しいコントロールで感染例の増加が抑えられ、多くの商店が営業を再開した。一か月以上にわたる軟禁生活を強いられていた人々は、徐々に外出を始めている。むしろ、入境後、隔離2週間が必要な対象エリアに日本が加えられ、その日本では身近でティッシュやトイレットペーパーが店頭から消える騒ぎが起きている。中国にいる学生から「なにか必要なものがあったら遠慮なく言ってください」と心配される始末だ。つい最近まで、自宅待機で気の滅入っている学生たちを励まし、マスクの足りない学生には郵送し、わずかながらの支援をしてきたが、たちまち立場が逆転してしまったわけだ。
春節休暇で一時帰国した後、新型コロナウィルス感染の拡大で新学期の授業が3週間遅れ、休暇が大幅に延長された。3月9日からオンラインによる在宅授業が決まり、そのための準備に追われた。広東省の通達で、学生は3月いっぱい大学に戻ってはならないとされたが、当初、教師は含まれていなかったので、5日の仕事開始に合わせ大学に戻ろうと思っていた。だが、今度は日本その他外国の感染例が増えたこともあり、逆に出国を足止めされた。今は教師も当面、外地から戻ってはならないとの指示だ。教室はまだ空っぽのままである。
思えばこの間、いろいろなことがあった。音沙汰が無いことに、心配をしてくれる友人もいたが、いたって健康である。中国の学生に送るマスクを入手するため、早朝、近所のドラッグストアで行列に加わるという得難い経験もした。大学による全校教師学生への指示により、毎日午前、携帯のアプリを通じ、その日午前と前日午後の体温や体調などの報告もしている。日中のはざまにいて感じることも多い。
3月5日にはオンライン授業のテストがほぼ終わった。受け持ちは3クラス、計100人、それぞれのクラスごとにネット会議を開いた。こちらの映像は絶えず流しているが、女子の中には「パジャマ姿だから」「化粧をしていないから」などとカメラを部屋の壁や天井に向けたり、本で顔を隠す学生もいる。かわいいものだ。ネットゲームに熱中している男子学生は、ゲーム用のヘッドホン着用で登場し、オンラインの世界はお手の物といった感じだ。(つづく)
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