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2020-03-08 00:00
(連載2)ロシアに生じた変化と相変わらずの日本
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
北方領土の場合、クリミア半島のようにロシアに対して世界的なコンセンサスができているわけではない。北方領土の占有を以て経済制裁などが行われているわけではないし、むしろ事実状態を追認しているのが世界の現実だ。
また、筆者は北方領土の交渉に関して、まずは終戦日を確定しなければ話にならないということを主張している。そのような認識が日本国内で広がっていないところに驚きがあるのだが、世界的には「終戦日」は8月15日ではないのである。これによって、そもそも日本人と世界の常識が異なり、ロシア人と日本人の間で議論が噛み合わなくなるのである。国際法に基づいて交渉しようとか宣ってもその前提に大きな問題があるのである。日本はなぜか情緒的な交渉ばかりをしてしまい、その主張とは裏腹に法に基づいた交渉ができないので相手にされない。冗長外交になれた外務省や国内で喝采されても外国人を共感させられない論理を何十年も再生産する学者は、いまいちど自らの創造力を刺激するべきだ。
さて、逆に今回のロシアの憲法改正を巡っては、ロシアの中の空気の変化が見える。プーチン大統領が表面的に何を言っていても、それがどのようなことを意味しているかは慎重に見極める必要がある。日本に対する外交上のシグナルの可能性もあるが、国内向けの事情でしかない可能性も大きい、あるいは実質的にはなんの意味もないかもしれない。慎重に分析することで、こういうこともよくわかるはずなのである。
しかし、だからといってなんだかんだよくわからないから日本として変化しなくても良いのではないか、ということにはならない。ロシアの国内では、この出来事に関連して、内閣の総辞職が起きるなど何かしら政府内部に変化が起きているので、それをうまく利用することができる可能性がある。長年硬直した対露方針が続いたこともあり、ロシアの変化を機として日本も外交を変えることがもしあれば、国民にとって刺激が強いかもしれない。だからこそ、そのような際には、判断を国民で共有できるように、しっかりと報道を含めて広報を戦略的にすすめるべきだろう。日本は全体が変わらなければならない時期に来ているような気がする。(おわり)
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