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2020-03-07 00:00
(連載1)ロシアに生じた変化と相変わらずの日本
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
新型コロナウイルスの話ばかりがメディア取り上げられ、他の報道が埋もれていく。そのような時こそ、こっそり通り過ぎていく「他の報道」が重要である。まずは埋もれさせる「コロナウイルス」の報道を見たい。疫学的な話は門外漢であるから専門家に任せるとして、すなわち国際関係に様々な外国の「本性」についてである。
まずはヨーロッパである。基本的に「東洋人すべて入国禁止・または入店禁止などの迫害」という対処がなされた。英国では、シンガポール→フランス(スキー場)と移動して帰国した男性から一気に感染者が増え、大きな騒ぎになった。フランスでも中国人観光客が死亡し、そこから感染が広まっている。フランスにおけるチャイナタウンや濃厚接触が推測される居酒屋やカフェなどを忌避する動きが出た。欧州では、東洋人を国ごとに区別できないことから、東洋人すべてを入国禁止にする判断もなされた。ニューヨークでは、日本人経営のラーメン店や居酒屋などが打ちこわされるなど、様々な影響が出ている。コロナウイルスを根本的に治療する方法はない中で患者数が増えれば「医療崩壊」が起きることは目に見えているからこそ、このような時に「差別」に走るのか、あるいは「防御」と言い張るのか、あるいは「協力」するのか、真の友好国とは何なのか、その辺がこの新型コロナウイルスの危機を通して見えてくるはずなのである。
さて、他方で、新型コロナウイルスのニュースが紙面を踊る中、それに埋没する重大ニュースがロシアから発信されていた。ロシアの憲法改正だ。その憲法改正案の法文上に「露領土の他国への割譲を禁じる規定」を盛り込むという報道があった。新型コロナウイルスに、桜を見る会、それもよいが、そればかりでは話にならない。日本のメディアはこのような重大な問題に関しては他の記事との兼ね合いなどではなく見ていき報道していくことが求められるのではないか。
ここで大事なことは、クリミアは別としていまや領土問題が日本としか存在していないロシアにとって憲法上の「ロシアの領土」とは何かということだ。それを見定められなければ、ここからロシアが示したい意図がなにかはわからないし、それに対して日本がどう対処するべきかも考えようがない。頭の体操ではないが、「日ソ共同宣言の中にある二頭返還論」はいったい何なのかとか、「四島または千島列島全体などの返還交渉」の可能性とかをしっかりと柔軟に見直すことが大事だ。でなければ、パターン化した対露外交、交渉、論理が陳腐化されたまま採用され続け、その代わり映えしない主張を繰り返すだけの政治家や外交官には繰り返し、同じリアクションがロシアから返ってくるだけだ。そのような交渉しかできないようであれば、外務省などは無用の長物ということになる。(つづく)
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