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2020-03-05 00:00
鈴木馨祐氏のお知らせについてのコメント
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
鈴木馨祐衆議院議員が自身のブログで掲載した「最新コロナウイルスに関する中国への自民党の支援金について」のお知らせは、日中関係を考える上でいろいろ示唆を含むのでコメントする。自民党が国会議員から支援金を募り中国に寄付すると決めたことに対し、鈴木氏は「誤ったメッセージを中国当局に与える」として、その趣旨に賛同できないと拒否したものである。鈴木氏は真摯に国際問題に取り組まれておられるようでこの論壇においても、時々論述をよせられており参考にさせていただいている。最近の中国のドタバタから、寄付金がきちんと真に困難な状況にある人々に届かない恐れが多分にある。鈴木氏のように真摯に物事を考える良質な人々は多いと思う。中国と議論しても、常に表層的に終わり、議論が深まることはない。それが常に継続される。相手は、金太郎あめのごとく常に党中央からの指示通りの話を時に語彙や口調を変えて延々と話し続けるだけ。心ひそかに反発する。
筆者は、個人的に少し知り合いもいる。良心的な中国の知識人は、今の中国上層部は正常ではない、そしてその下の国民もまだ未成熟な段階だと悲痛な声をあげる。そもそも今の中国当局の旗印は侵略してきた日本を退治し、今の中国独立を成し遂げただが、少しはまともな中国人なら、当時日本と対峙していたのは国民党であって共産党ではないことはきづいている。その知識人の親戚は文革で悲惨な目にあったのだが、その親戚の話では文革の終わりごろ、権力闘争で権力の座にあった4人組グループが敗退した。その直後テレビに現れた映像からは、その4人組の姿が丁寧にみな消されていた。中国共産党はこうした虚偽の中で、絶対のムビョウ性を保つべくひたすら懸命なのだ。それが時々破綻し表面化する。今回の騒動もそれなのだ。勿論多くの良識ある中国人は、何とかしなければと思っているが、これだけの広大な国をマネージするのに民主主義に一足飛びでいいのか、そうなると、かって列強諸国にいじめられた共産党政府以前の反植民地時代に逆戻りするのではと悩みは尽きない。
今、中国は世界で最大の悪者になりつつある。日本国内でも自民党の二階氏は、あまりにも中国べったりでないのかとの意見も多いと聞く。二階氏の中国との関係は、生半可なものではない。正常化以後の天安門事件当時の逆風や嵐の中においても一縷の線を絶やさないよう懸命な努力をされていたと聞く。だからこそ、中国側の良質な人々からも信頼を得ているのだ。民主党政権の当時、中国との関係が悪化しデッドロックに乗り上げた時、自民党のようなチャンネルがなく、物事は全く進められなかった。責任ある政治家は、日本の生存に不可避な中国との関係は常に視野において活動しておられる。茂木外相も色々尽くされておられると聞く。中国は進学熱が極めて高い。子供たちへの勉学に、親たちは日本以上に知恵を絞る。良さそうなものは何でも試す。その一つが日本の将棋だ。勿論、将棋連盟が名人戦を90年代に中国の南部の広州市で行うなどの仕掛けもあった。中国に於けるこうした諸活動に色々支援したり影のご努力されていると中国人より聞いている。
ルール違反をして村八分となった人間がいたしても、大災難時には黙って助けるという日本の伝統的精神がある。日本が今まで新中国のために尽くしてきた諸支援について、国民へ知らせることの極めて少ない中国だが、今回の日本からの諸支援についてはSNSなどを通じ少しは一般の人々に知れわたっているようだ。よく、極端なナショナリストは、今のような状況になると、戦前の暴支膺懲ならぬ、中国と断交せよなどと述べたりする。人により計算は違うが日本の40%を占めるという経済を切って生存してゆくことが果たして現実的なのかだ。そういう勇ましい言葉を吐く人は、実際の自分の生活を4割切り詰めるかと言うと、元の生活を続けているのだ。ただ自分がスカッとすれば済む話ではない。鈴木氏の立場も、二階氏の立場も良く分かる。このように色々な意見が共存できることも一国の強みだと思う。今の中国はこうした多元的意見の表示を弾圧した付けを払わされているともいえる。
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