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2020-02-03 00:00
(連載1)コロナウイルス蔓延について各国の見方
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
この記事を書いている2月3日の段階でのコロナウイルスの患者数は、中国本土で1万4,458名、死亡者394名、中国本土以外の海外の地域では154名、うち1名がフイリピン入国中に死亡した中国人という数字で、同じ系統のコロナウィルスから発生のSARSの頃より早いスピードで罹患者の数が増えてきている。2002-2003年当時との大きな違いは、中国人の海外渡航が段違いの多さで増えていることである。2018年の数字統計でも毎日約20万人以上、当時の6倍以上が海外へ出ている。これにより、海外にでている中国人から直接感染する恐れも大きく、場所のよってはパニックになっているところもある。
3日前にパリ経由帰国した日本人知人によると、パリの一部では、中国人とみるとハンカチで鼻を押さえて急いで脇を走しり抜けるとか、レストランではウェイターが中々注文を取りに来ないなどあり、他のアジア人もそのとばっちりを受けているそうだ。その知人によれば、最近の西欧社会では、中国を先頭にアジア経済の台頭が注目されており、それに対してのやっかみもありそれがこの機会に吐き出されているきらいもあるようだ。そもそも、今回の蔓延には中国特有の隠ぺい体質にも責任があるとの見方も西側報道には多い。発生地と目される武漢市、湖北省の地方政府は最初、発生の事実を隠し、それが西側の報道で隠し切れなくなると情報を小出しにしたりの小細工をめぐらせた。また、WHOに働きかけ、国際的な緊急事態宣言を遅らせるようなこともしたとの西側の報道がある。
WHOヘッドのテドロス事務局長は、アフリカのエチオピア人で同国は中国の投資を多分に受けており弱い立場のようだ。筆者が聴取した中国人学者も中央、地方の当事者が面子にこだわり、無責任な言動ばかりしたと怒っている。同学者によれば、中国の当局は体質的に専門家の意見を真摯に聞くという伝統に乏しく、社会全体も医者をはじめ医療関係者への尊敬の念が薄いそうだ。毛沢東時代には、高額な謝礼を受け取るベテラン医師を排斥し、彼らを追放し「はだしの医者」の呼称で、若い女性たちに簡単な医療知識を与えただけで社会へ出したようなこともあった。文革時代には熟練の医師や研究者たちを社会の敵として迫害した。
その後遺症で、今でも中国社会では、先進国に比べると医者の給与も低く社会的地位も低い。毎年、万を超す医者などの医療関係者に対する暴行事件が起きている。同学者によれば、習近平時代になり、各組織内に党組織を必ず設置することが法的に義務ずけられ、何事も必ず党組織の承諾を得なければならず、今回の対策においても知識に乏しく、ただ習近平思想をよく勉強しているとか、党に忠実だが実務能力に欠ける党員の見当違いな意見も無下に無視できないため、現場はかなり混乱させられている。中央政府は今国内向けに、WHOの中国は今回のウイルスの拡散防止に最大限の努力しているなどの発言を強調したり、人々の愛国心の昂揚に努め、当該地方政府の幹部に責任を取らせるなどのトカゲのしっぽ切りで政権批判をかわすべく必死だ。(つづく)
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