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2020-01-28 00:00
(連載1)蔡英文総統再選を読み解く
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
1月11日、台湾の総統選挙が行われ、大方の予想通りに蔡英文総統が再選した。今回と前回(2016年)の総統選は、ともにその争点は中華人民共和国との関係だった。もちろん蔡英文総統側が、中国からの独立を掲げていたのに対して、中国共産党との融和を掲げて戦ったのが、国民党であった。
しかし、そもそも中国共産党との関係を考えれば、「国共内戦」に敗北して台湾に逃げてきた国民党とはすなわちこの国民党である。国民党は、共産党との戦いを「内戦」と規定することによって「一つの中国」の観念を維持してきた。つまり本来ならば国民党にとって中国共産党は不倶戴天の敵であり、蒋経国の時代まで「反共産主義」で戒厳令を出していたほどである。しかし、国民党の馬英九総統の時代になると、中国共産党との連携を模索し貿易協定などを行う法案を立法院に出すほどの姿勢の変化がみられた。その結果、学生たちに「向日葵革命」を起こさせた経緯がある。
その後、台湾の中では「独立派」と「現状維持派」と「中国融和派」に分かれることになる。中国融和派は、当然に中国共産党との共通の敵を模索するために「反日」を主張するのに対して、現状維持派は、現状維持のまま、独立派は日本とアメリカとの友好関係を維持し、台湾の独立を目指すということを主張するに至ったのである。そのことから「親日派=独立派」というイメージがあり、日本の保守派の中には蔡英文総統やその支持者に親近感を持つ人は少なくない。
一方で、「官僚」「教職員」「高級軍人」は、いずれも国民党エリートが多く、中国大陸に由来している人が少なくない。そのために国民党支持が多いとされている。この総統選挙の9日前の1月2日、台湾軍のアメリカ製ヘリコプター「ブラックホーク」が墜落し、沈一鳴参謀総長を含む8人が死亡する事故が発生した。(つづく)
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