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2019-12-17 00:00
(連載1)世界不和のシナリオ、2020年への考察
岡本 裕明
海外事業経営者
イアン・ブレマー氏率いる世界最大の政治リスク・コンサルタント「ユーラシア・グループ」が2019年初頭に発表した「今年のリスク」は①英国のEU脱退、財政悪化加盟国の増加、アフリカ、中南米の政治不安による移民の増加、G0に伴う中国ロシアの台頭等の地域的不安定要因、②トランプ大統領に代表される国際協力より自国の権益等のナショナリズムの優先、③既存の国際的な組織制度、システム等における利害関係、存在価値等への対応の必要性、④異常気象等による自然災害の増加となっていました。
12月に入るこの時期にこうやって見直してみると当たっているようで当たっていないところもあります。ちなみに私が毎年年初に発表している今年の10大予想のうち、政治に関してみると①2019年東アジア政治は台風の目、②分断化する世界、自己中心か共存か、③欧州の混沌をテーマに挙げていました。地球儀ベースで世界の不和を見れば各地でいろいろなことが起きているのですが、私があえて挙げるのは二つ。一つは朝鮮半島情勢、もう一つはトルコであります。
まず、朝鮮半島情勢ですが、今年も半島をめぐり様々なことがありました。6月にトランプ大統領が板門店の軍事境界線を越え、金正恩委員長と接しました。GSOMIAや日韓をめぐる各種攻防もありました。問題はここからです。イアン・ブレマー氏はあまりアジア情勢についての強みがない気がしますが、私は朝鮮半島が再び政治利用されるとみています。一つには香港人権法案をめぐる中国のアメリカへの報復です。何が飛び出すかわからないし、一つではなく、いくつものことがあるかもしれません。その中で中国の北朝鮮へのテコ入れは大いにあり得るとみています。金正恩氏が数日前、飛ばしたミサイルの意図はGSOMIAに対する反発かもしれませんが、米中の不和に乗じて新たなる戦略を考えている節があります。更に金正恩氏は以前よりアメリカとの外交交渉に於いて「年内にアメリカから好条件を引き出せないなら考えるところがある」としており、年明け早々にも何か行動を起こす機運があります。その際、中国が北朝鮮をひそかに支援することはあり得ます。韓国国内の混乱も視野に入ってくるかもしれません。韓国の政権の不安定化が更に北朝鮮に勢いづかせるかもしれないし、駐韓国駐留米軍の費用についても大きなイシューとなるでしょう。(日本にとって対岸の火ではないのですが。)
もう一つの不安材料、トルコであります。昔からこのアジアとヨーロッパの接点が巻き起こす火種は絶えたことがありません。それだけ様々な影響を受けやすい位置と歴史的背景があるから、と言えます。トルコがEUに入りたくても入れないその理由の一つはイスラム教が主体の国家ということもあるし、NATOの関係もあるでしょう。特にロシアから武器、兵器を購入したことで西側防衛システムが破られると懸念されるところもあります。また、クルド人とシリアとの関係も常に不安定です。中東の移民がトルコ経由で欧州流れ続けることで欧州各国のトルコへのプレッシャーは大きいものになっています。(つづく)
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