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2019-12-04 00:00
(連載2)2020年の景気見通し
真田 幸光
大学教員
但し、ここでも二点、「利権誘導ではない真の国土強靭化策に邁進すること」、「財政状況を意識した計画的な公共投資を実施すること」、がなされないと長期的には日本経済に禍根残す可能性があることを付記しておきたいと思います。そして、「設備投資」は、海外情勢の不透明感が強まっているものの、人手不足に起因した省力化投資等が上述したように高まり、この結果、緩やかかもしれないですが、私は着実に回復トレンドに入っていくと考えており、実のある設備投資は回復させるべきであると考えています。更に、日本経済を支える一つの牽引車となる「輸出」は、米中摩擦が解消され対中輸出が改善したとしても、欧州に対する不安が残り、対欧州向け輸出は改善が遅れるなど、輸出全体では回復が遅れる可能性はあると見ています。
そして、世界経済の成長は総じて不冴えであるとの見方をしていますが、先ず日本経済、更に世界経済を支えている現行の「米国景気」は、労働需給の逼迫や企業の増益基調のほか、米国の中央銀行たるFRBの予防的利下げなどの効果などによって、また、こうした状況を、大統領選挙もあり、意図的に維持しようとするトランプ大統領の政策姿勢もあり、内需を牽引役にしながら、拡大基調が続くと考えます。しかし、中国本土はもとより、世界の多くの国との貿易摩擦が、米国の消費マインドや企業マインドを万一冷やすこととなれば、減速する可能性があることは想定しておかなくてはならない、こうした状況となれば、結果、米国の経済成長ペースは鈍化すると見ておきたいと思います。
また、「欧州景気」は、緩和的な金融政策がある程度、欧州景気全体を下支えするものの、米国の保護主義政策や中国本土景気の減速を背景に製造業分野で既に景気減速懸念が出ており、これに欧州経済自身の不透明感が続くようなことが加われば、欧州経済も停滞感を強めるとの覚悟を私たちもしなければならないと思います。最後に、「中国本土景気」は、良い意味でも悪い意味でも、計画経済的な色彩を改めて強めると予想される中、中国本土政府主導の財政・金融政策の効果は一定程度期待できると考えます。しかしながら、米中覇権争いが根源的には続き、これに香港問題も複雑に絡んで、解きほぐされないことから、米中貿易摩擦が本格的に解決しないと見る、こうしたことから、中国本土の外需は下方トレンドに向かうとの圧力を受け続け、結果、大きく改善するとは想定できない、否、場合によっては、更なる景気減速もあると見ておきたいと思います。
更に、中東情勢の不安や北朝鮮動向、そうした背後に見られるロシアの動きなどは、上述した見通しを、場合によっては根底から崩す、要因になりかねないことも付記しておきたいと思います。尚、こうしたことを基にした、真田の勝手な主要経済指標の見通しは日本0.3%(前年比-0.5ポイント)、米国2.0%(同-0.4ポイント)、ユーロ経済圏0.8%(同-0.4ポイント)、中国本土5.8%(同-0.4ポイント)などとなると考えています。(おわり)
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