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2019-11-01 00:00
(連載1)中国の「内政不干渉」の都合の良さ
倉西 雅子
政治学者
さる10月18日の日経新聞朝刊に、「中国の言論統制海外にも」というタイトルで中国の言論弾圧が海外にまで拡大している現状を憂うる記事が掲載されておりました。筆者はフィナンシャルタイムズのチーフ・フォーリンアフェアーズ・コメンテーターのギデオン・ラックマン氏なのですが、同氏が危機感を募らせた切っ掛けは、米プロバスケットボール協会(NBA)と中国との間で起きた軋轢です。
NBAに属する「ヒューストン・ロケッツ」の幹部が香港支援のメッセージをツウィートしたことから、これを問題視した中国当局がNBAの放映を一部中止すると言った圧力をかけたのです。また、仏ディオール社も、台湾を描いていない中国地図を用いたことから謝罪に追い込まれています。
同記事に依りますと、かこくも露骨な介入を行いながら、習近平国家主席は、アフリカ諸国の首脳を前にして「5つのNO」を提唱し、内政不干渉を掲げているそうです。この言葉は、一般的な理解からすれば、‘中国は他国の内政に干渉しないかわりに、他国の中国の内政には干渉しないでほしい’という意味に聞こえます。しかしながら、ラックマン氏も「中国政府が解釈する不干渉」に過ぎないと注意を促すように、この言葉の言い回しは中国独自のレトリックであり、むしろ、中国の干渉を許すリスクが潜んでいるというのです。
そこで、「中国政府が解釈する不干渉」について何処にまやかしがあるのか考えてみたのですが、まずもって、相互主義の罠に気が付く必要があるように思えます。相互主義とは、対等の立場から一般的にはお互いの言い分や立場を認め合うことを意味しますので、誰からも受け入れられやすい原則として一般的には理解されています。しかしながら、相互主義で合意する段階にあっては対等でありながら、必ずしもその結果までもが公平であるとは限らないケースもあります。(つづく)
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