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2019-08-01 00:00
(連載1)もう一度考える東アジア情勢
岡本 裕明
海外事業経営者
「きな臭い」、そんな言葉すら出てくるような雰囲気です。日韓だけで揉めているならこれは二国間問題となるのですが、先日のロシア軍用機が竹島付近を領空侵犯し、韓国側が360発あまりものの警告射撃を行ったこともよくわからないし、その時、中国も同様に同地域で領空侵犯していました。ところで、北朝鮮は世界食糧計画を通じた韓国からの5万トンのコメ支援を断りました。喉から手が出るほど欲しいコメを断ったその理由について、韓国メディアは、8月に予定されている米韓合同軍事演習への反発だとしています。また、昨日には新型の短距離弾道ミサイルを再び飛ばしています。これについてもやはり合同演習への牽制ではないか、と見られています。
こうした動きについて、一歩下がって考えてみたいと思います。まず、日韓の問題ですが、このところ異様にヒートアップしているのが韓国。日本でも報道は多く、今まで以上に一般の人の関心も高まっていると認識していますが、日本政府が比較的冷静な立場を貫いており、安倍首相からも特段、耳新しいコメントは聞こえてきません。ということは、日本側は粛々と、韓国側はワンワン大騒ぎ、の違いがあります。
この二か国間の不仲ぶりは今や世界では誰もが知るほどの犬猿ぶりであり、誰もそんなところに首を突っ込みたくないというのが本音なのでしょう。WTOでもほぼスルーされたのはご承知の通りです。では文大統領から仲介を頼まれたトランプ大統領はどうでしょうか?ボルトン大統領補佐官は訪韓の際、もしも何らかの使命をトランプ大統領から受けていたらそれなりのやり取りや姿勢は見せたはずですが、これもほぼスルーでした。つまり、アメリカはとりあえず「知らんぷり」をしています。
この構図は、勝手にヒートアップする韓国を放置していると考えられないでしょうか?そうだとすればなぜでしょうか?この点について、このところ私は違う解釈も可能ではないか、という気がしています。その鍵は北朝鮮であります。北朝鮮のコメ拒否や新型ミサイルは何のためにやっているのか、ですが、米韓合同軍事演習そのものではなく、金正恩委員長が大好きなアメリカが韓国と仲良くすることに対し、嫉妬しているのではないか、とする方が素直に理解できるように思えるのです。(つづく)
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