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2019-07-19 00:00
(連載1)降下する中国経済の行方
岡本 裕明
海外事業経営者
中国の4-6月GDPが発表になりました。6.2%成長で1992年以降の四半期GDPとしては最低を記録しました。最低と言うとその言葉が独り歩きするのですが、個人的にはこの経済環境でよく踏ん張っているとみています。もっともこの統計の信憑性がどれぐらいあるのか、恣意性があるのか、そのあたりを考え始めると何も分析する価値がなくなってしまうので一応、発表されたままの数字を見て考えてみます。
1-3月が6.4%成長で今回の6.2%を合わせると1-6月の成長率は6.3%で習近平体制として2020年の目標である2010年GDP比倍増にはギリギリですが、まだ到達可能な数字となっています。では私が踏ん張ったとみた理由は4-6月を月ごとに見ると6月に消費と工業生産がぐっと伸びているのです。特に消費は2018年3月以来の水準に戻しています。これは4月から始まった4兆元規模の企業、及び個人向けの減税や手数料割引などで消費や企業経済を喚起しているためで、統計上は4月をボトムに急速に盛り返しています。
工業生産も6月が6.3%増で過去5-6年の平均的水準に戻しています。仮に近いうちに米国との通商問題に決着を見るようならばもう少し息を吹き返すとみています。日経は今回のGDPについてかなりネガトーンですが、北米の報道はむしろポジティブで年後半への期待が高まっている点が明白な違いになっています。中国の経済については一言で申し上げるほど簡単なものではありませんが、基本的な流れとしては2000年に6%台という低い成長率で一旦底打ちした後、急回復し2007年に15%という驚異的成長率をつけピークとなります。その後、リーマンショック下落とその反騰を経ながら、じわっと成長率が下がり、今に至る流れです。
これを見ると中国の成長率は基本的には現時点の実力からすれば6-7%程度の水準が妥当で2007年かけての超高度成長はオリンピックと万博という二つのイベント、WTOへの加盟、世界の工場としての認知といった特殊要因を踏まえ、国内外での不動産ブームと政府主導のインフラ整備、はたまた海外企業をM&Aで買収したバブルが後押しした、と言ってよいかと思います。(つづく)
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