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2019-07-16 00:00
(連載1)米国にとっての「日米安保破棄」
大井 幸子
国際金融アナリスト
6月30日、日曜夕方にG20大阪サミットを終えたトランプ大統領が韓国に立ち寄り、ついでに文大統領も引き連れて電撃的に訪朝し、突如、第3回目の米朝首脳会談が行われた。しかも、日本の頭越しに、だ。これは「ニクソンショック」に匹敵する「トランプショック」と言ってもいいくらいだ(ニクソン大統領は日本の頭越しに訪中した)。サミット前にトランプ大統領は米国メディアで「安保条約は不平等だから破棄」と発言し、多くの日米関係者を驚かせた。今思えば、この衝撃的発言はトランプ電撃訪朝の伏線だった。そして、事態は大きく動いた。
実は、筆者が2014年8月に行った政治評論家の片桐勇治氏との対談で、こうした事態がすでに予想されていた。まず、トランプ発言「日米安保破棄」がなぜ突然ここにきて飛び出してきたのか?そして、朝鮮半島情勢とどう関わるのか?その真実については、片桐勇治氏の優れたリサーチがすでに紐解いている。そもそも、日米条約(1960年1月締結)は10年ごとに見直される。この条文によると、日米安保条約は当初の10年の有効期間(固定期間)が経過した後は、日米いずれか一方の意思により、1年間の予告で廃棄できる旨規定しており、逆に言えば、そのような意思表示がない限り条約が存続する、いわゆる「自動延長」方式である。直近では2010年に見直しがあったはずである。それを、米国側はなぜ「破棄されたもの」と思ったのか?
片桐氏は自身の著作『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』の中で、「歴代総理がサインしてきた密約の覚書」について、以下のように分析している。「そもそも、吉田首相が1951年サンフランシスコ講和条約にサインし、日本が独立国家として国際社会に認められたことは歴史の教科書に書いてある。しかし、その裏には、日本の政財界へのアメリカからの紐付き資金『復興資金』30億ドルという密約の覚書があった。日本はアメリカからの融資の担保として、航空権、国防権、電波権を差し入れた。返済期限は1952年から60年間で、元本と利息全てを返済したのが2013年4月だった。同年4月28日には『主権回復の日』の式典が政府主催で行われた。この時期と前後して、羽田空港の発着枠が増え、スカイツリーがより多くの電波を飛ばせるようになり、そして、米軍基地や関連施設が日本側に返還されてきた。担保が戻ってきたのだ」
なぜ「密約・特別覚書」が必要だったか?戦後間も無く米ソ冷戦が始まった。1949年に毛沢東による中華人民共和国が設立され、50年には朝鮮動乱で共産主義の脅威が高まり、米国は反共の防波堤として日本を軍事的に占領し続ける必要があった。同時に、日本経済の復興を後押しする必要性も認めた。(つづく)
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