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2019-07-06 00:00
(連載2)イランの米無人機撃墜の黒幕は?
倉西 雅子
政治学者
このため、石油輸出の道が閉ざされると、経済基盤を輸入に頼ってきた分、そのダメージは甚大です。当然に、同国に対する制裁措置が国民生活にも波及し、品不足や価格の高騰に苦しめられることとなります。イラン国民の対米感情が悪化する原因もまさにここにあり、イラン政府も、国民の不満がアメリカ敵視に向かうよう煽っているのです。国内の対米強硬派にとりましては、アメリカによる経済制裁は好都合なのでしょうが、自国の政権を表だって批判できない一般のイラン国民が、本心からアメリカとの戦争を望んでいるのかは怪しいところです。
そして、資源輸出型の国の特徴の一つは、輸入によって国内の製品需要に応えることができるため、技術面における発展が遅れがちとなることです。イランもまた、イスラム教に基づく国家体制を理想としてきたこととも相まって、製造業等の分野にあって先端的な技術の研究・開発に熱心に取り組んできたわけではありませんでした。
産業技術力は軍事技術の基盤となると共に転用も可能ですので、仮に、イランにあって軍事技術のみが突出して高いレベルにあるとしますと、それは殆どあり得ない現象です。となりますと、やはり、イランは、何れかの軍事大国から軍事テクノロジーを‘輸入’している、あるいは、支援を受けていると考えざるを得ないのです。
それでは、イランを支援する軍事大国とは、一体、どこの国なのでしょうか。最も可能性が高いのは、南下政策の伝統に鑑みればロシアと云うことになりましょう。あるいは、経済制裁下において秘かにイラン産の石油を独占的に手に入れ、将来における対米戦争に備えたい中国である可能性も否定はできません。そして、これらの諸国のさらに裏には、全ての諸国を影から操ろうとする勢力も潜んでいるかもしれないのです。今般の事件は、アメリカとイランとの二国間関係のみならず、その背後関係をも明らかにしませんと、その真の目的は見えてこないのではないかと思うのです。(おわり)
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