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2019-07-03 00:00
(連載1)日米安保破棄は現実的か?
岡本 裕明
海外事業経営者
トランプ大統領も構造改革が大好きな方だと思います。当然ながら日米安保も不公平と再びかみついてきました。別に今に始まったわけではなく、大統領就任時から考えていたリストの一つであろうと思います。その意味がどこにあるか、どういう戦略にでるか、それを改めて考える時期に来たのかもしれません。
二国間関係は永遠ではなく、結果として有期的関係になることはあります。世界を見れば情勢に合わせて微妙なかじ取りをとる国は案外多いものです。中国とロシアの関係一つとっても戦後、近づいたり離れたりしてきています。その背景は二国関係がパリティかどうか、時の政権の見方次第で不平等感が見えてきたりするのでしょう。ただ、二国関係を目先の損得勘定で判断するのも危険であり、冷静さを保つことは重要であります。
さて、トランプ氏の日米安保に関する言及ですが、私にはジャブのように感じます。中国との一件が収まれば次は朝鮮半島と日米安保が一体で検討されるかもしれません。トランプ大統領は朝鮮半島問題についての真意が何なのか、どうしたいのか、これが見えにくいのですが、トランプ氏には韓国に対して辟易感があるようにみえます。これが単に文大統領との個人的関係なのか、朝鮮半島政策そのものなのか、判断に苦しみますが、基本的には東アジア政策にアメリカが今後どこまで関与するか、というところなのでしょう。
仮にそうである場合、アメリカは朝鮮半島での直接的関与は状況次第で、撤退もあり得ると思います。状況次第というのは、北朝鮮の体制変化が起きて韓国駐留米軍の正当性が見直せる事態になった場合です。朝鮮戦争を通じて、もともと赤化拡大阻止という名目でしたが、今日、赤化が膨張するという趣旨はピンときません。(つづく)
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