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2019-06-25 00:00
(連載2)中国の口先に騙される愚を繰り返してはならぬ
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
しかし、実態としては、常任理事国で唯一、核弾頭の数を近年においてもなお増加させているのが中国です。また軍事費の極端な増加にみられるような軍拡を行い、実際の軍事的な挑発行為を行い、勝手に領海法という法律を国内で作ってそれを根拠に自らの領域を勝手に拡大し、そこに手を出すものに対しては何をしても正当防衛だと言い募っているのが現実です。
旧ソ連が北方領土でやり、ロシアがクリミアで行ったような、力による現状変更を是とし、むしろ変更する自分たちに大義があり、それを非難する諸外国が中国の正当な権利を侵害している、と言わんばかりの動きが、特に習近平主席になってから目立ちます。このような状況下にあって、そろそろ我々は、中国の言動に騙される愚を繰り返すことをやめねばなりません。中国の行動をきちんと見ねばならない。北朝鮮に対するのと同様、中国に対しても「何を言っているか」ではなく「何をしたか、どんな行動をしたか」だけをみる必要があります。
2017年10月の第19回中国共産党全国大会以降、中国軍の様々な動きは正直異常と言っていいレベルになっています。今般は国務委員の立場にある国防大臣が、台湾侵攻に関する発言をするに至っています。台湾、台湾海峡は日本にとっても、アメリカの安全保障にとっても生命線です。米国においては、中国の異常性についての認識がようやく与野党関係なく浸透してきたような印象を受けます。今後、中国は自国の経済的な市場の大きさをてこにして一層国際社会において横車を押すような行動を加速していくと思われます。ここにどう対応するかをG7などで協議することも必要ですし、わが国としては日米同盟をさらに進化させるとともに、アメリカのアジアにおけるプレゼンスの重要性を米国政府に再認識してもらうような努力を続けることが必要です。
日本よりも軍事的経済的に中国に対して脆弱なアジアの国々は、日米がどの程度真剣に中国からの圧力に対峙してくれるかを、自国の命運をかけて見守っています。天安門事件から30年を迎えた状況下で、中国側に日中関係を真剣に改善させる考えなどなく、米中関係が厳しくなる中で、口先だけで日本にアプローチしているだけである実態を、そして中国共産党の本質を改めて我々は注視していかねばなりません。尖閣における執拗な主権侵害、東シナ海の中間線付近での執拗な主権侵害等々、実際の中国の行動を見なれば取り返しがつかないことになりかねません。(おわり)
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