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2019-06-17 00:00
プーチン露大統領、日露平和条約交渉の早期解決困難を示す
飯島 一孝
ジャーナリスト
プーチン・ロシア大統領は6月6日、サンクトペテルブルグで開かれた世界の主要通信社幹部との会見で、日露平和条約締結問題について「日米軍事協力が締結を困難にしている」と改めて指摘し、日本政府に対し、ロシアの懸念に配慮するよう求めた。大統領は6月29日の大阪での日露首脳会談を前に、現状での早期解決が困難であることを内外に示したといえよう。プーチン大統領は共同通信社の質問に答えた。同社の記事によると、プーチン大統領は日本には自国の安全保障に関する権利があると認める一方、日本もロシアの懸念に配慮するよう要求した。その上で、この問題について専門家による慎重な交渉が必要と指摘した。この発言から、今後日露両国の専門家による安全保障問題に関する協議機関設置を提案してくる可能性もある。
今回のプーチン発言により、安倍首相が目論んでいた、大阪での日露首脳会談での平和条約締結合意は不発に終わることになった。それだけに止まらず、平和条約交渉を継続するには、米国をも巻き込んだ交渉が不可欠な状況になってきた。米国のトランプ大統領との蜜月関係を維持して、米国との関税交渉を有利に運ぼうという安倍政権の目論見も揺るぎかねない。
一方、プーチン大統領は北方領土返還を執拗に求めてくる日本の弱みを逆手にとって、日本を米国追随の関係から引き離す好機であると捉えているに違いない。米中関税交渉で中国を支援し、北方領土交渉で日本を自国に引きつけようというプーチン政権の戦略が功を奏すかどうか、目が離せない。
では、こうしたロシアの戦略に安倍政権はどう対応するのか。安倍首相はイランに外遊し、トランプ大統領に有利な根回しをしようと努力したものの、その最中に日本の海運会社が運航するタンカーがオマーン湾で攻撃される事態が起きた。トランプ大統領の尻馬に乗って米国とイランの仲介をしようとした結果、仲介どころか、火に油をそそぐ事態となった。自分の政権を守るためなら何でもやろうという安倍首相の近視眼的外交では、米露の大国外交に振り回されるだけではないか。目の前の選挙に勝つことだけに血道をあげる安倍政権に、国家百年の計の外交は任せられない。
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