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2019-05-21 00:00
(連載2)北朝鮮との無条件会談の提示をした安倍首相
岡本 裕明
海外事業経営者
では、安倍首相は今、北朝鮮と対峙できるのでしょうか?個人的には疑問視しています。まず腹を割ってこないでしょう。金正恩氏が最近行った直接外交は基本的にはことごとく失敗しています。失敗の理由がどこにあるかですが、外交の準備が稚拙で人材もいない上に金氏そのものの性格が災いしている可能性はあります。それは彼に人を信じるという気持ちがほとんど欠如しており、交渉という相手との信頼関係の醸成ができないように見えます。事実、トランプ、プーチン氏らの交渉時の顔は明らかに構えています。習近平氏も同様だったのではないでしょか?
今、安倍首相が無条件会談をしたとして何があるか、といえば(北朝鮮でやれば)外遊先の国が一つ増えた、ぐらいだとみています。あえて言うなら直接会った金委員長の印象をトランプ大統領とゴルフ談義で「そうだねぇ」とうなずくぐらいでしょう。
何故、私がこの件でネガティブか、といえば金委員長のゴールポストは韓国以上に動くことが分かっており、今、なんら言質は取れないとみているからです。安倍首相の成果品は期待できないし、拉致被害者問題の進展も困難でしょう。経済支援パッケージは非核化のお約束が完了しないと打ち出せません。日本が1兆円出すぐらいで核ミサイルを止めるとは言わないでしょう。それは彼の最愛のガジェットだからであります。
安倍首相は朴槿恵元大統領と疎遠だった当初、全く同じように胸襟を開き、いつでも会談をしたいと言い続け、確かに一時的にうまく言ったものの大統領が代わり反故されました。個人的には今はまだ安倍首相が金氏と会う時期にはないと感じています。もしも本当に会うなら、韓国との関係に何らかの決着をつけてからでないと「あぶはち取らず」になるのではないでしょうか?(おわり)
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