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2019-04-18 00:00
(連載1)働き方はどう変わるのだろう?
岡本 裕明
海外事業経営者
働き方改革関連法が4月に施行されました。昨年の国会でもめたあの法案であります。端的に言えば残業時間上限規制、有給消化の義務化、同一労働同一賃金、高度プロフェッショナル制度が柱であります。残業は月あたり繁忙期で最高100時間、年間で720時間になります。原則的には月45時間年360時間となります。土日含まずで計算すると繁忙期の最高が一日5時間、通常時には2時間ちょっとということになります。多くの会社が5時半ごろが終業時間だと思いますので7時半には会社の電気が消えるはずであります。これが現実社会であり得るのか、といえばないでしょう。
有給休暇の消化については5日間は最低でも取らせる、ということになっています。この意味が私にはさっぱりわからないのですが、多くの方は有給は年に10日以上付保されるはずでそのうち法律的縛りである5日間だけは取らせ、あとは企業と従業員の判断に任せる、ということになっています。おかしいですね。同一労働同一賃金については社員、派遣、パートなどの賃金格差を解消しようというものであります。
ではこの同一労働を具体的にどう説明できるか、これは言うほどやさしいものではありません。例えばスーパーのレジ打ちでも業務をこなすだけの人とベテランで新人指導ができる人、レジの不調に対応できる人、レジ締ができる人、顧客のクレームに対応できる人などいくらでもこじつけられる差はできます。最後の高度プロフェッショナル、略称「高プロ」は年収1075万円以上の一定のカテゴリーの専門職の人には成果型労働報酬制度が導入されます。つまり原則的には時間に縛られない労働ということになります。国会審議の際、野党が特に吠えたのがこの項目であります。
ではこれが日本の労働事情にどれだけ変化をもたらせるか、といえば多分、一部には変化らしきものはあると思います。その一部とはラインの仕事をされている方々であります。それでもざっくり8割ぐらいの方はライン業務だと思われますのでその方々にはこの新しい働き方改革法案がばっちり組み込まれます。しかし、私は肝心かなめの問題は絶対に解決しないと思っています。それは全体の労働者の2割程度に当たるマネージメント部隊にこの枠の適用をすると日本的経営の特殊性も考えると事業が回らないからであります。マネージメント部隊が実は一番ストレスフルな業務をこなさねばならないことはこの法律を作った政治家の方が一番ご存知でしょう。国会答弁の際、徹夜をいとわず、待機しているのは役所の幹部職員ですね。(つづく)
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