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2019-04-04 00:00
(連載1)長短金利逆転が見せる不吉な予感
岡本 裕明
海外事業経営者
95%の人にとって長短金利逆転がどうのこうの、という話に「それで?」と思うはずです。私だってこんなものには興味を持つ予定ではなかったのです。しかし、会社を経営をし、株式市場で運用があるとなれば景気の先行きがどうなるかは興味あるところです。いや、むしろ知らなくてはいけないものです。ところが私には水晶玉もないし、予言者もそばにいませんので自分で考えなくてはいけません。それを手助けしてくれるものが経済指標であります。経済指標には先行指標と遅行指標があります。先行指標とは景気の先行きを占うもので株式市況、住宅着工件数などが、遅行指数には雇用者数、家計消費支出といったものがあります。
その中で今日のお題である長短金利逆転は経済の先行きを占うには極めて意味があり、忌み嫌われる時とされています。昨年来、ディープな経済関係メディアではこの話題がちょくちょく出ていたのですが、ついに逆転したため、比較的一般的なニュースにもカミングアウトしてしまいました。この長短逆転とはアメリカの長期金利、つまり10年物国債の利回りと短期金利、通常は3カ月物の金利を言いますが、の金利が逆転することを言います。一般的にお金を借りる場合、長期に借りる方が金利は高いものです。皆さんが預金をするときにも長期で預けた方が若干金利がよいのと同じです。
ところが、今は長期でお金を借りるよりも短期で借りる方が金利が高いという状況が生じてしまったのです。これはそうそうあることではなく、今世紀では2000年と2006年の2回しか起きていません。そして2001年にはドットコムバブル崩壊、2007年にはアメリカ住宅市場のピークアウト、住宅バブル崩壊から2008年のリーマンショックにつながったのは記憶に新しいところです。では今回はどうなるか、といえば何かが破裂する公算がある可能性があるのかもしれません。何かはわかりません。潜在的にはいろいろ考えられます。アメリカも中国も欧州も英国もそのネタはあります。いや、ベネズエラのような小さな国の崩壊が世界を伝播する可能性もあります。
さる3月27日-28日e-論壇「百家争鳴」掲載『衝撃が走ったFRBの金融政策』で、2019年が「平坦で落ち着いた景気を維持できればいい」という趣旨のことを書かせていただきました。それはなかなか困難な道のりであるという意味でもあります。何かのきっかけで中央銀行が対策をとらねばならない事態になった際、確実に言えることがあります。それは短期金利の急激な下落であります。これは2001年も2007年もそうでした。それこそ0.25%ではなく0.5%ずつ下げるといった対策を施すのです。(つづく)
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